石狩市における分散型廃棄物処理インフラ実証実験
北海道石狩市で、株式会社JOYCLEと株式会社aiESGが共同で実施した実証実験が注目を集めています。この取り組みは、分散型廃棄物処理インフラの導入によるESG(環境・社会・ガバナンス)貢献の可能性を探るもので、実際のデータに基づいた成果が報告されました。
実証実験の目的と背景
このプロジェクトは、株式会社JOYCLEが開発した「JOYCLE BOX」という分散型アップサイクルプラントを使用し、廃棄物を現地で処理し資源化することを目指しています。従来の焼却炉へ長距離運搬することによる環境負荷やコストを削減することが主な目的です。
また、物流に特化した動態管理サービス「MOVO Fleet」を使って、ごみ収集車の位置情報データを解析し、収集ルートの最適化を図りました。aiESGはこの分析を担当し、ESG貢献インパクトの算出を行いました。
具体的な成果と結果
実験の結果、「JOYCLE BOX」を12台設置し、収集車2台を代替した場合、以下の成果が得られました。
- - 年間CO₂排出量の約56トン削減
- - 燃料消費量の16,280リットル削減
- - 運搬コストの7,200万円削減
- - 労働時間169時間の削減
これらは、環境負荷の軽減だけでなく、地元の雇用環境の改善にも寄与しています。
JOYCLE BOXとは
「JOYCLE BOX」は、廃棄物を「運ばず、燃やさず、資源化」する新しいタイプの小型IoTアップサイクルプラントです。この技術は電熱線による熱分解を利用して、廃棄物からバイオ炭やセラミック灰を生成します。これにより地域内で廃棄物が資源化され、持続可能な社会の実現に寄与します。
主な特徴
- - 環境負荷の削減:運搬距離を短縮し、CO₂排出量を大幅減少。
- - 持続可能性の向上:地域内での資源化を通じた循環型社会の形成。
- - データ可視化:リアルタイムで廃棄物処理状況を管理可能に。
各社の役割
- - aiESG:データ解析と最適配置シミュレーションを実施。収集効率や廃棄物量を算出しました。
- - JOYCLE:アップサイクルプラントの設置と運用を行い、地域内での廃棄物処理のインパクトを実証。
- - 石狩市:実証実験の場を提供し、地域内の企業との連携を支援。
地域の意義と今後の展望
石狩市は、北海道の持続的なごみ収集を目指しており、この取り組みは地方部の廃棄物減少に貢献するものと期待されています。また、分散型インフラの効果が定量的に示されることで、地域の脱炭素化や持続可能な社会の実現に向けた具体的な指針が提供されることになります。
まとめ
今回の石狩市での実証実験は、「資源と喜びが循環する社会」の実現に向けた重要なステップとなります。JOYCLEとaiESGは、今後も地域社会に根ざした取り組みを続け、持続可能な未来に向けた影響力を拡大していく考えです。