AGRI SMILEがバイオスティミュラント資材導入を開始
株式会社AGRI SMILEは、この度、全国32の都道府県にわたり、100の農業協同組合(JA)と連携し、農林水産省の基準に準拠したバイオスティミュラント資材の導入およびその効果検証を始めることを発表しました。この取り組みは、日本における農業の持続可能な発展を目指し、各地での多様な土壌や気候条件においても応じられるようにデザインされています。
バイオスティミュラントとは?
バイオスティミュラントは、植物に刺激を与えることで自らの成長を促進させる資材で、近年、欧米を中心にその活用が広がっています。具体的には、植物体内での反応を活性化させ、環境ストレスへの耐性を高めることを目的としており、作物の収穫量や品質向上に寄与します。世界的には、バイオスティミュラント市場は年率平均12%という急成長を見せており、日本でもその導入が急務とされています。
日本の農業現場は、人口減少や生産コストの急騰、高温障害やその他の環境要因による多くの課題に直面しています。このため、持続可能な生産方法や農業所得の向上が特に重要視されていますが、バイオスティミュラントに関しては、これまでその効果や情報の透明性が欠けていました。
農林水産省のガイドラインと自主規格
農林水産省は2023年5月にバイオスティミュラントに関するガイドラインを正式に発表し、資材選びにおける基準を明確にしました。それを受けて、AGRI SMILEは2025年4月を目指して、JAとの連携を基にした国内初の自主規格「Expert Council for Low carbon Agriculture in Biostimulant technology(Eco-LAB)」を設置し、実験的な支援を実施することが決定されました。
このガイドラインに沿った資材を用いて、AGRI SMILEは69種類の作物を対象に全国各地での圃場試験を計画しています。最も普及している作物は水稲や大豆、馬鈴薯であり、特にこれらについては各地域に適した条件での検証が行われます。
実証実験の内容と目的
今回の検証では、施用区と対照区を設定し、各農作物の収量や品質を定量的に調査します。具体的には、圃場試験において、収穫の成果や作業の効率性などを多角的に評価し、視覚化されたデータをもとに統計的検証を行います。これにより、資材の効果を具体的かつ客観的に確認し、一連のデータが収集されます。
【主要参加産地】
- - きたみらい農業協同組合(北海道、タマネギ、水稲等)
- - 全国農業協同組合連合会岐阜県本部(水稲、キャベツ等)
- - 熊本市農業協同組合(熊本県、トマト、大豆等)
- - その他、多くのJAが参加予定
今後の展望
AGRI SMILEは、今回の取り組みを通じて得られるデータをもとに、地域に適応した農業の実現を目指します。また、検証結果を積極的に発信し、農業者が信頼性の高い情報をもとに資材選びができる環境を作ります。さらに、JAとの協力を深め、日本の農業の生産性向上を図り、持続可能な農業の未来をサポートしていく予定です。
最後に、AGRI SMILEの取り組みは単なる農業の効率化だけでなく、日本の農業界全体の品質向上や、農家所得の安定にも寄与することが期待されており、今後の成果に注目です。