JAXAと国土交通省が災害時の衛星画像活用に関する協定を締結

JAXAと国土交通省が災害時に衛星画像活用協定を締結

2023年10月28日、国土交通省道路局は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（以下、JAXA）との間で災害発生時における道路の被害状況を把握するため、衛星画像データの活用に関する協定を結びました。この協定は、特に夜間や悪天候時において現地調査が難しい中、迅速な被害情報の把握を可能にすることを目指しています。

迅速な災害情報提供の必要性

自然災害はいつ発生するかわからず、その影響を瞬時に把握し対処することが求められます。特に道路の被害確認は、交通機関や救助活動に直結するため、早急な対応が求められます。しかし、従来の現地調査では天候や時間帯に左右され、十分な情報収集が難しい状況がありました。そこで、JAXAの持つ人工衛星技術を活用し、効果的に情報を収集する手段が求められたのです。

協定の概要と特徴

この協定では、災害が発生した際にJAXAが運用している「だいち2号」（ALOS-2）や、2024年に打ち上げ予定の「だいち4号」（ALOS-4）からの衛星画像データが提供されることになります。これにより、広域の道路状況が夜間や悪天候でも迅速に把握できるようになります。また、衛星データを活用した初動対応や詳細調査の強化も図られます。

さらに、国土交通省とJAXAは、共同でワーキンググループを設置し、衛星画像データの効果的な活用方法を議論し、実証実験も行う予定です。これにより、実際の災害時にどのように衛星データが役立つかを検証し、より良い対応策を確立することを目指します。

今後の展望

JAXAと国土交通省の協力により、災害対応の効率が飛躍的に向上することが期待されます。今後、人工衛星を用いた情報収集が進むことで、各種災害における初動対応や被害把握が迅速に行えるようになるでしょう。道路交通の安全性を向上させ、地域社会に安心をもたらすためのこの取り組みは、今後も注目されるべき重要な試みです。

この協定により、災害時における衛星画像データの有効活用が加速され、迅速かつ適切な災害対応が実現されることを願っています。