AiRatoと東北医科薬科大学が共同でがん治療支援AIを実証

AiRatoと東北医科薬科大学の新たな試み

AiRato株式会社は、東北医科薬科大学とのコラボレーションにより、AIを活用した放射線治療計画支援ソフトウェア「RatoGuide」の有用性を実証することに成功しました。この成果は国際的な学術誌「Cureus」に発表され、特に頭頸部癌（咽頭癌）の治療においてAIの効率性と精度向上が確認されました。

RatoGuideの活用

本研究では、放射線治療医が「RatoGuide」を通じて、CT画像に線量分布を重ねて表示し、患者一人一人の治療計画を迅速かつ正確に策定できることが示されました。RatoGuideは、業界の専門家の知見を基にした自動プランニング機能を持ち、治療の質向上に寄与しています。具体的には、重要な臓器が密集する頭頸部において、周囲の健康な組織を保護しつつ腫瘍を的確に照射するための精密な治療が可能となります。

研究の背景と論文概要

この研究は、放射線治療におけるAI支援の利点を探求したものであり、AIを用いることで患者の負担軽減や再現性の高い治療計画の実現が期待されています。論文タイトルは「Efficiency and Clinical Utility of AI-Assisted Radiotherapy Planning Using RatoGuide for Oropharyngeal Cancer: A Case Report」であり、特定の症例を通じて実証試験が進められました。研究者らは、RatoGuideを用いた治療計画が従来の手法よりも効率的であったことを強調しています。

今後の展望

AiRatoは、頭頸部癌だけでなく、肺癌や前立腺癌など他のがん領域への展開も視野に入れています。今後、「より多くの患者に安全で効果的な放射線治療を提供する」という目標のもと、治療法のさらなる向上を目指していきます。

医療現場からの期待

この研究において放射線医学講師の石川陽二郎氏は、AI技術の導入が治療計画の精度を高め、多くの患者に質の高い医療を提供できる可能性を示唆しました。特に、医療人材が不足しがちな東北地方において、AIが新たな解決策をもたらすことに期待が寄せられています。

AiRato株式会社の代表取締役、木村祐利氏も、この革新が患者の生活の質を向上させる一助となることを願っています。