未来に向けた新たな活動の拠点「パルシステムの森(仮称)」
2023年10月6日、山梨県大月市にて、パルシステム生活協同組合連合会と南都留森林組合の産直提携10周年を祝う「森林産直会議」が開催されました。関係者23人が集まり、過去の活動を振り返るだけでなく、今後の具体的な展望が描かれました。その中心となったのが新たに提案された「パルシステムの森(仮称)」構想です。
この構想は、地域住民や組合員が集まる場を提供し、地域に根ざした活動を通じて森林の重要性を学び、体感することを目指しています。杉本光男組合長は「これまで共に歩んできたことを嬉しく思う」「『パルシステムの森』は私たちの未来のイメージが反映されている」と述べ、期待感を示しました。
サステナブルな森づくりへの道
今後は具体的な整備計画や利用方法について詳細に検討され、環境活動の象徴的な拠点として位置付けられる予定です。この場所は、生物多様性の保全にも寄与するエリアとして期待されており、地域の人々と協力して持続可能な森づくりを進めていく方向です。
「産直木材」を活用した新商品
パルシステムは、2012年から「森林産直」をスタートし、森林の資源を持続可能に活用する取り組みを続けています。この10年間で開発された商品には「めぐる森のしいたけ栽培セット」や、新しい家具製品として「めぐる森のステップチェア」や「めぐる森の2WAYテーブル」が含まれています。これらの商品は、森の温もりを伝えつつ、日本の林業が抱える課題にも意識を向けたものです。
さらに、2025年度からは新たに「産直トラック」構想が始まります。これは、配送トラックの床に南都留森林組合のアカマツ材を用いることで、国産間伐材を使用し、CO2削減への貢献を狙うものです。このトラックは都内で2025年11月から本格的に運用される予定です。
つながりを深める「顔の見える関係」
パルシステムの活動の中では、「つくる人」と「食べる人」をつなぐ「産地交流」が重要です。産地を訪れるツアーや、職員向けの研修を通じて、森林整備の重要性や林業の現状を理解する機会を提供しています。参加者からは「森の守り手たちの思いに触れることで、木材に対する愛着が深まった」といった声が上がり、直接の交流の意義が広がりを見せています。
持続可能な未来へ向けて
パルシステムは、南都留森林組合との「顔の見える関係」を基に、自然の恵みを持続可能な形で活用し、豊かな環境を未来に引き継ぐための活動を続けていくことを約束しています。2025年は国際協同組合年でもあり、より一層の連携・協力が期待される中、「パルシステムの森」を通じた取り組みが新たなステージへと進んでいくことでしょう。