子どもたちを守るための法教育プロジェクト
2023年12月6日、奈良県の橿原オークホテルにて、アディーレ法律事務所が「奈良県高等学校PTA協議会Cブロック校役員研修会」で講演を行いました。この講演は、子どもたちを取り巻くインターネット環境の変化に伴い、増加するトラブルへの対策を考える機会として企画されました。
講演には、県内の9校から校長やPTAのメンバー19名が参加し、アディーレの法教育プロジェクトリーダーである長井弁護士が導入した内容について熱心に耳を傾けました。講演のテーマは「防ごう!子どものインターネットトラブル」。長井弁護士は、子どもたちに影響を及ぼす様々なSNS(TikTok、Instagram、LINE、Xなど)の具体的な危険性と、その対策について説明しました。
インターネットトラブルの現状
講演では、まずSNSによって生じるトラブルの現状とその法的リスクについて焦点が当てられました。具体的には、なりすまし、誹謗中傷、個人情報の漏洩、著作権侵害といったリスクに加え、SNS上でのいじめやリベンジポルノ、闇バイトへの勧誘といった深刻な事例が取り上げられました。
法的責任の理解
長井弁護士は、こうした事例における法的責任についても詳しく解説しました。投稿者や閲覧者が抱えるリスクの例として、実際の裁判事例を挙げ、損害賠償責任などの具体的な内容に触れました。特に、子どもたちが「加害者」か「被害者」の境界にいる可能性があることを親が理解することが重要であると強調しました。
トラブルを未然に防ぐための具体的対策
その後、長井弁護士は SNSトラブルを防ぐための具体的な方法について説明しました。プライバシー設定の強化やダイレクトメッセージ(DM)の拒否、安易な情報拡散の禁止といった行動指針は、加害者や被害者になることを防ぐために有効です。
さらに、万が一トラブルが発生した場合の相談窓口も紹介されました。総務省、法務省、警察、そして法テラスなど、さまざまな支援機関の存在についても説明し、「問題が発生した際には、決して一人で抱え込まず、大人に相談することが重要である」と強調しました。
参加者からの反響
講演後、奈良県高等学校PTA協議会Cブロックの会長からの感想が寄せられました。親世代にとって新しいSNSの世界で、子どもたちが既に多くの知識を持っていることを認識し、親自身も積極的に学んで情報を最新のものにしていく必要性を強調しました。また、トラブル時には保護者や学校、公的機関に相談することが重要であるという認識を新たにしたと言及しました。
アディーレの法教育プロジェクト
アディーレ法律事務所は、2022年4月以降全国で60回以上の法教育活動を実施し、未来を担う若者が法律に関する知識を持つことの重要性を訴えています。今後も教育現場や関連団体と協力し、この啓発活動を続けていく方針です。
今回の講演から得た知識をもって、子どもたちはより安全で賢明なデジタルライフを送ることができるようになることが期待されます。