AWS横断監視ツール「srest」の本格提供が開始
2024年9月2日、メタップスホールディングスが新たなAWS横断監視ツール「srest」の本格提供を開始しました。このツールは、複数のインフラ系サービスからのイベントログやAWSのコストを一元管理できるダッシュボード機能を備えています。これにより、日々の運用を通じて異常を早期に発見し、障害予防やコストの最適化を図ることが可能です。
「srest」の主な機能
1. インフラの健康状態をリアルタイムで把握
「srest」はITインフラのサービスレベル目標をダッシュボードに表示し、監視対象となるシステムの全体像を瞬時に理解できるようにします。これにより可観測性が向上し、監視業務の効率化を期待できます。
2. AWSコストの可視化
各AWSサービスのコストをフルに可視化し、アカウントを横断して新しいグラフで表示します。コストの推移や比較がリアルタイムで行えるため、費用の上昇を早期に察知し、適切な対策を講じることができます。
3. イベントログの集約とタスク管理機能
各インフラ系サービスのイベントログを集約し、容易に確認できる状態に保つことで、日常業務の効率化に寄与します。また、異常を感知した際には、関連するログからタスクを作成・管理することができ、迅速な対応を促進します。
日常的な利用がカギ
「srest」は、異常が発生してからの対応よりも、日常的に使用することで真価を発揮します。毎朝ダッシュボードを確認したり、定例会議で状況を把握したりすることで、システムやコストの異常を早期に発見できます。これにより、障害を未然に防ぎ、コストが不必要に増加するのを防ぐことが可能です。
料金と導入の予定
「srest」の料金は月額3万円(税抜)からで、1か月間の無料トライアルも提供されています。今後は、ログとコストの可視化をさらに広げ、生成AIを活用した業務効率化も進める予定で、年内には100社への導入を目指しています。
提供の背景となる課題
インフラ人材の不足
技術の進歩に伴い、システムも複雑化していて、専門的な人材の需要が高まっていますが、エンジニア市場は人手不足です。この状況で安定した運用を実現するには、業務の効率化が不可欠となっています。
煩雑な日常監視業務
運用担当者は複数のサービスを横断して状況を確認する必要があり、特に異常の確認には長い時間がかかります。この点で「srest」は大きな助けになるとされています。
クラウドコストの上昇
クラウド利用が進む中、企業全体の利用状況を把握するのが難しく、予期せぬコスト増加が発生することも少なくありません。特に、為替変動によりコストが上昇するリスクも考えられます。
まとめ
「srest」は、システムの監視業務を一元化し、管理コストを抑えるための強力なツールです。作業効率が向上することで、これからのインフラ運用に貢献することでしょう。メタップスホールディングスは今後もこのサービスを進化させ、より多くの企業が利用できるように取り組んでいきます。