石田美菜子の写真展が旧竹田宮別邸の魅力を伝えるイベント開催

石田美菜子写真展「海を庭にしてしまった家」

2024年10月1日より、ニコンプラザ東京・大阪の写真展会場「THE GALLERY」にて、石田美菜子の新しい写真展が開催されます。この展覧会では、昭和初期に建てられた旧竹田宮別邸を舞台に、美しい写真作品を通じてその魅力を伝えます。

旧竹田宮別邸は横須賀市の佐島に位置し、まるで海に向かって出かけるかのような設計が施されています。この異色の建物は、明治天皇の第六皇女、昌子様が輿入れした竹田宮家に属し、非常に貴重な文化的遺産と言えるでしょう。1935年に竣工したこの邸宅は、デコラティブなアールデコ様式を取り入れた超モダンな設計で多くの人々を魅了しています。

興味深いのは、この邸宅が日本唯一のボートハウスを有している点です。現在の建築法では用いられない方式で、海からそのまま船で邸宅内に入ることができます。このユニークな停泊場は、訪れる人に特別な体験を提供しますが、設計者の名前は残されていないとのこと。

戦後、この邸宅は竹田宮恒徳王の手を離れた後、英国人が管理し、今では北原照久氏のゲストハウスとして利用されています。北原氏とは、コロナ禍に音声SNS・Clubhouseで出会い、彼の多面的な活動やコレクションを通じてこの邸宅の魅力に引き込まれました。

本展覧会では、海と自然に囲まれた旧竹田宮別邸の四季折々の美しさと、北原氏の独自のコレクションが融合した作品を紹介します。さらに、来年には昭和100年を迎えることから、この希少な建築の背後にある謎を解き明かしていく企画も検討されています。

石田美菜子のプロフィール

東京都出身の石田美菜子は、日本大学芸術学部で写真を学び、数々の著名写真家の指導を受けました。フリーランスとして多様な作品を手がけており、最近では2022年に「いつかだれかと歩いたみち」、2023年には「祈りのかたち」として個展を開催しています。彼女は公益社団法人日本広告写真家協会の正会員でもあり、ニコンカレッジの講師としても活躍しています。