日本酒と和食の出会いを楽しむ新たなキャンペーンが中国で盛況

日本酒と和食が織りなす新たなストーリー

2024年12月から2025年1月の期間に、中国の上海、広州、深圳にある80の和食店が参加し、特別な日本酒キャンペーンが展開されました。この取り組みは、日本食品海外プロモーションセンター（JFOODO）が主導しており、5年目を迎える今年度は「寻清酒韵品和食香」（自分に合う日本酒を見つけ、日本酒と和食の魅力を引き出そう）をテーマにしたもので、参加者に新たな日本酒の楽しみ方を提供しています。

このキャンペーンでは、参加店舗において「無料唎酒セット」が提供され、日本酒を試飲する機会が増えました。特に日本酒に馴染みの薄い層に対しても、日本酒の魅力を伝える工夫がされており、結果的に総計58,202杯分の日本酒が提供され、前年に比べ平均5本のボトルを追加で販売することに成功しました。この数値は、参加店舗における日本酒の需要が拡大していることを示しています。

日本酒の市場における評価

近年、日本酒は中国市場において需要が拡大しています。特に2013年に和食が無形文化遺産に登録され、その流れに乗って日本酒の人気も上昇しています。2024年には日本の伝統的な酒造りがユネスコの無形文化遺産に登録される予定であり、今後の日本酒市場のより一層の成長が期待されています。

さらに、最新の調査によると、中国における日本酒の消費量は全体の0.3％にとどまっているものの、昨年の輸出額は倍増しており、日本酒が今後の成長途上にあることがわかります。特に和食店が主な販路であり、ヘビー消費者が全体の8割を占めることから、日本酒に対する興味を引き出すための施策が重要視されています。

新たな試み「無料唎酒セット」

今回のキャンペーンの目玉となる「無料唎酒セット」は、参加店舗での日本酒試飲を可能にするもので、消費者がリスクなく新しい味を試す機会を提供します。この取り組みに関して、訪れたお客様からは「注文前に味を確認しやすい」との声や、「飲み比べにより自分の好きな味を知ることができた」といった反響が寄せられ、初めて日本酒に触れる方々にとって大変好評を得ています。

食のコラボレーションで魅力を発信

キャンペーン期間中、各店舗では料理長が監修した日本酒と和食のペアリングメニューが提供され、日本酒の楽しみ方を広げる新たな提案が生まれています。また「グラス売り」方式で提供することにより、少量から試すことができるため、気軽に日本酒を楽しむことができるようになりました。このように、消費者とのコミュニケーションを深めつつ、日本酒の選択肢を広げる取り組みが行われています。

イベント施策で日本酒の魅力を広める

さらに、2024年12月18日には高所得者層や酒ファン向けの品評会が開催され、29名と76名が参加しました。日本酒のプロとともに日本酒のペアリングを楽しむイベントは、参加者の理解を深める貴重な機会となりました。また、インフルエンサーやメディア記者を招待した試食イベントも行われ、SNSを通じての情報発信がなされました。

このように、日本酒と和食の魅力を広めるキャンペーンは、多様なアプローチで消費者の心を掴むことに成功しています。今後も日本酒文化の発展に寄与することが期待されています。