リン回収設備の完成とその重要性
4月25日、神戸市玉津処理場で行われた「リン回収設備完成記念式典」には、水ing株式会社の関連会社である水ingエンジニアリングが参列しました。この取り組みは地域の水環境の持続性を高める重要な一歩となります。
玉津処理場に設置されたリン回収設備
玉津処理場では、神戸市内の約21万人分の下水を効果的に処理しています。このたび設置されたリン回収設備は、すでに東灘区の東灘処理場に続く2か所目のリン回収施設であり、年間約200トンのリンを回収する能力を持っています。この成果は、国内での下水汚泥からのリン回収施設としては最大規模です。
リン酸は肥料の三要素の一つであり、その原料はほぼ全量を輸入に依存していますが、地域で回収されたリンを再利用することで、持続可能な資源循環と食料安全保障に大きな貢献が期待されています。
水ingエンジニアリングは、2011年度から神戸市と共に技術開発に取り組み、汚泥からリンを回収・再生する技術を確立しました。現在、東灘処理場で回収されたリンは同社が買い取り、リンを原料とした肥料を製造・販売しています。
さらなる展開と期待
神戸市は2026年度に市内の東灘処理場に3基目のリン回収設備を設置する計画をしています。これが実現すれば、市全体で年間300トンのリンが回収でき、年間需要の約400トンの大部分を賄うことが可能となります。また、他都市への供給も視野に入れ、地域の資源循環と食料安全保障の強化が期待されています。
記念式典の様子
式典には久元喜造神戸市長、国土交通省や農林水産省の関係者、さらにはJA兵庫六甲の代表など約40名が参加しました。地域循環の重要性や「こうべハーベスト」と呼ばれる神戸再生リンを活用した農産物や日本酒についてもPRされ、関係者の熱意が感じられました。
安全・安心な設計と工事の推進
水ingグループは、今後も地域の水インフラを持続可能にするため、安全で安心な設計や建設工事に注力していく方針です。皆さんの生活を支える重要な役割を果たすため、引き続き努力を重ねていく所存です。
これは、私たちの未来に向けた重要な一歩であり、地域の資源を最大限に活用する姿勢を示すものです。神戸市をはじめとした地域が一丸となって、より良い未来を築いていくことが期待されます。