干しいもで地域を活性化—スイーツブランド「陽」が新プロジェクトに参加
宮崎県延岡市に本拠を置くスイーツブランド「陽(あかり)」が、産学連携コンソーシアム「みんなのサツマイモを守るプロジェクト(SSP)」に参加しました。このプロジェクトは、サツマイモ基腐病の影響を受けている鹿児島・宮崎のサツマイモ経済圏を支える重要な取り組みです。福岡市に本社を置く農業資材専門商社welzoが主導するこのプロジェクトは、研究開発や産業の再興を目指し、地域の農家やビジネスと緊密に連携しています。
「陽」は、干しいもや焼き芋から健康食品、芋焼酎まで、多様なサツマイモ製品を展開しており、独自の製法を駆使して“売れない芋”を“売れる商品”に転換する手法を確立しています。この活動は、地域の農家と共に成り立つ循環型モデルの確立を目指しており、干しいも文化の振興にも一役買っています。
農家支援を目指す新たな挑戦
専務の江藤大介さんは、今回のSSP参加について「サツマイモ経済圏を守るためには、加工業者としても本腰を入れるべきだ」と述べています。農家が再び希望を持てるよう、農業と商品流通を結びつける役割が求められています。特に、九州全域に広がる基腐病の影響に対し、地域課題に積極的に取り組む姿勢が重視されています。
SSPは、サツマイモの基腐病からの防除法や新たな品種の開発を進めるなど、情報共有と研究を通じて病気への対策を徹底していく方針です。江藤さんは「我々は単にできるかどうかを考えるのではなく、どうやって地域を元気にできるかを考えていきたい」との思いを語り、干しいもを通じた地域貢献を目指す決意を表明しています。
地域との共創を強化
また、プロジェクトを通じて、地域農家の若手と連携した品種展開やふるさと納税事業など、民間主導の農業支援モデルの構築も進めていく考えです。江藤さんは「干しいもはただの保存食ではなく、地域経済を支える可能性を秘めている」と強調し、地域の営みを最前線で支えていく重要性を訴えています。
SSPプロジェクトは、農家、加工業者、地域が一体となって再興を目指し、未来に向けた取り組みを広げています。「陽」の江藤専務の言葉には、スイーツを通じた地域活性化の意義が色濃く表れています。これからも多くの人々に、サツマイモの魅力と可能性が伝わることを願います。
プロジェクトの概要
「みんなのサツマイモを守るプロジェクト」は、情報共有、品種開発、研究、啓発活動を通じて、サツマイモ産業の再興を目指しています。様々な業界のリーダーたちとの戦略的連携により、その取り組みは日増しに強化されています。今後、江藤さんが推進する干しいもの取り組みも果たす役割として大きく期待されていることでしょう。地域と共にサツマイモの未来を築くこのプロジェクトに、さらなる注目が集まります。