老舗ポールメーカー・シナノが見つけた「変化」の力とは?
長野県佐久市に本社を構える老舗企業「シナノ」は、創業100年以上の歴史を誇るポールメーカーであり、その中で数々の試練を乗り越えてきました。特にスキーブームの終焉に伴い、経営危機に直面した同社は、新たな商品開発や戦略的なマーケティングによりV字回復を実現しました。このたび、同社の代表取締役社長である柳澤光宏氏が著した『100年企業「変化」のしくみ』が、2025年の11月11日に刊行されます。
本書の内容
本書ではシナノが実践している「変化のしくみ」を詳しく解説しています。「変化」「強みの再定義」「インナーブランディング」「商品開発」「アウターブランディング」という5つの視点から、企業の持続的な成長に必要な知識や手法を提供しています。特に、経営者やリーダーにとって必読の内容となっています。
経営危機を乗り越えた変革の物語
シナノが経営危機に直面したのは、先代社長である柳澤光臣氏が就任した頃。トップダウン型の経営スタイルで全従業員を引っ張り、高齢者向けの「歩行杖」や姿勢改善などに効果的な「ウォーキングポール」といった新商品を開発し、業績を回復させました。ただ、これには市場開拓の大変さが伴いました。当初、ウォーキングポールは市場に全く存在しなかったため、スポーツ量販店や介護用品売り場での理解を得ることが難しかったのです。
そのため、シナノは新市場を開発し、「独自の価値」を創造することが求められました。この過程で、医学専門家でありポールウォーキングの提唱者である安藤邦彦氏と協力し、マーケティング活動を進めたのです。このようなコラボレーションは、今で言うインフルエンサーマーケティングの先駆けとも言えます。
従業員の力を活かす組織の変化
柳澤氏は自身の経営方針を「コアコンピタンス」に基づいたボトムアップ型の組織に移行させました。従業員が自由に提案することを奨励し、「コアコンピタンスを使った事業は何でも受け入れる」とのメッセージを発信したことで、従業員の自律性と創造性が引き出されています。
こうした改革の一環として、2021年からはキャンプ用品ブランド「シナノワークス」を立ち上げ。こちらもシナノが誇るポール製造技術を活かした製品で、短期間で売上が伸びています。このように、シナノでは従業員のアイデアが重要視され、特にキャンプ好きのメンバーによる提案から新しい事業が生まれたという実績もあります。
最後に
シナノの歴史から学べることは、マーケットや顧客ニーズに適応し続けることの重要性です。本書は、企業の持続的な成長を実現するための「変化のしくみ」を解説する一冊であり、経営者やリーダーにとって、さらなる成長のヒントが詰まっています。ぜひ、この機会に手に取ってみてはいかがでしょうか。
書籍情報:『100年企業「変化」のしくみ』
著者:柳澤光宏
208ページ
価格:1,760円(10%税込)
発行日:2025年11月11日
ISBN:9784-86667-770-5
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