漆器の新たな挑戦、山中塗
石川県の加賀市に位置する山中温泉地区には、450年の伝統を持つ漆器産地「山中塗」があります。しかし、その名を知る人は少なく、一般的にはあまり知られていないかもしれません。伝統的な製法を守りつつ、現代のライフスタイルに適応した商品づくりを続けている山中塗は、これまで多様な素材を取り入れ、時代のニーズに応じた商品を展開してきました。
ブランディングへの挑戦
伝統の技術を活かしながらも、消費者に対して「山中塗」のブランドイメージを浸透させることが欠けていたと感じられた産地。そこで、競合となり得る漆器業者が集まって結成したブランディング委員会は、共同で「山中塗」としての新たなアイデンティティを築くために、代表作の開発に挑んできました。この取り組みにより、現代の家庭にも映えるデザインと機能性を併せ持つ漆器、プロダクトブランド「もののぐ」が誕生しました。
「もののぐ」の特長
「もののぐ」は、日常の生活に寄り添うことを目指す「日々の道具」シリーズです。このシリーズは、昔ながらの量の単位である「升」を基に、5つの異なるサイズ展開があります。また、漆器のナチュラルなイメージである朱と黒を、現代に合った形で再解釈した新しい2色も展開されています。
職人の手仕事が感じられる
「もののぐ」の全てのプロダクトは、職人による手作りです。丸太から器の形を削り出し、何度も下地と漆を重ねて仕上げていく職人の技術は、時間をかけて一つの形に仕上げられます。そのため、一つ一つが異なる表情を持ち、全く同じ器は存在しません。各うつわは、シリアルナンバーが付けられ、唯一無二のものとして提供されます。
サイズ展開の多様性
「もののぐ」は、0.5桝から3桝までの多様なサイズ展開を実現。日本酒や食事など、幅広いシーンで使える器を提供しています。特に「升」という単位が持つ人の両手で掬い上げる感覚は、家庭でも馴染みやすく、実用的です。
新しい色の提案
「アカ」と「クロ」は、古代の日本では色彩の基本でした。「もののぐ」は、伝統的な漆器の色を現代に即して再定義し、新たに開発された色を用いた器を提案します。
450年の伝統を進化させる
山中塗は、その450年の歴史と高い職人技術を活かし、電子レンジや食洗機にも対応可能なプラスチック製樹脂の製品開発にも取り組んでいます。伝統を守りながらも現代のニーズに応え、これからの時代へと進化を続ける山中塗の「もののぐ」。
購入情報
「もののぐ」は2023年9月29日に発売され、価格は8,800円から17,600円です。詳しくは公式ウェブサイトをご覧ください。特に職人の手仕事による生産のため、受注状況により配送までに時間がかかることがありますので、その点もご留意ください。
公式ウェブサイト:
もののぐ HP |
山中塗公式ストア
【山中漆器連合協同組合】
所在地: 石川県加賀市山中温泉塚谷町イ268-2
代表者: 理事長 竹中俊介
URL:
山中塗公式