デジタル地域通貨「ハーンPay」が拓く持続可能な島づくりの未来

持続可能な島づくりの一歩：ハーンPayの協定締結

2025年4月11日、島根県隠岐郡海士町にてデジタル地域通貨「ハーンPay」を活用した持続可能な島づくりを目的とする協定が締結されました。この協定には、海士町や隠岐國商工会、海士町観光協会、フィノバレーの4つの団体が参加し、地域の経済活性化や住民のいきいきとした暮らしの向上を目的として取り組みます。

協定の目的と背景

海士町では、少子高齢化や地域経済の担い手不足といった課題が顕在化しています。それに対抗する形で締結されたこの協定は、「ハーンPay」を導入し地域内経済を循環させることで、観光客や住民がより便利に地域の店舗やサービスを利用できるようにすることを目的としています。また、新たに外部からの「外貨獲得」や地域内の「関係人口」の創出も期待されています。

「ハーンPay」は多様な店舗で利用可能なデジタル地域通貨であり、利用者にとってはキャッシュレス決済の手軽さを享受しつつ、地域経済への貢献ができる仕組みです。特筆すべきは、加盟店に対して決済手数料と換金手数料が0円（条件付き）となっている点です。これにより、事業者と利用者が気軽にハーンPayを使える環境が整えられます。

各団体の役割と効果

協定のもとで、各参加団体には異なる役割が割り当てられています。

- 海士町 では、地域住民や事業者への普及を行うと同時に、行政としての支援も提供します。これにより、地域内の消費を促進し、住民や観光客へのサービス向上を図ります。
- 隠岐國商工会 は、民間事業者へのハーンPay導入を促進し、事業者からのフィードバックを受けることで、地域内経済の循環を強化します。
- 海士町観光協会 では、観光施設やサービス事業者への導入促進を行い、観光施策の企画・運営を通じて、観光客の満足度向上を追求します。
- フィノバレー は、システム運用や技術サポートを提供し、持続可能な運用の実現を図っています。これにより、地域の課題解決やブランド価値の向上に寄与します。

今後の展望

今後は、「ハーンPay」にふるさと納税機能や地域限定ポイントなどの新機能を追加する計画もあるため、地域内の消費促進がさらなる強化と期待されています。また、新たなサービスやイベント企画の進行により、住民と観光客が地域と連携する新しい形を提案し、持続可能な島づくりを進めていく所存です。

協定締結式の内容

協定締結式は海士町役場で行われ、各団体の代表者たちが協定書に署名しました。式典では、海士町長を初めとして参加者が「ハーンPay」に対する期待を語り、地域の活性化に向けた強い意欲を示しました。

海士町は、「自立・挑戦・交流 × 継承・団結」を経営指針に掲げ、地域の価値を発信し続けています。地域の伝統文化や絆を重視しながら、持続可能な未来を切り開くべく挑戦を続けていく意向を示しています。