台風の影響を乗り越え、有機農法を守る挑戦
この夏、宮崎県新富町に位置する居積農園の居積さんがクラウドファンディングに挑戦しています。
「安心で安全な食を提供したい」という思いから、居積さんは約12年前に家業を継ぎ、無農薬・有機栽培の道を進んできました。しかし、近年の異常気象による台風の影響で、農業経営は厳しい状況に直面しています。
居積農園では、主にベビーリーフやハーブの栽培が行われていますが、台風の度にハウスが劣化し、その修繕が追いついていないのが現状です。このままでは将来への不安が募るばかりです。そこで、彼は少しでも支援してくれる人々に、農業の魅力や持続可能な経営の重要性を伝えたいと考えています。
農業への熱い想い
居積さんは、農業を通じて多くの人々とつながり、安心で美味しい野菜を届けたいと考えています。「私たちの野菜を楽しみにしてくれている人々に応えたい」と、常に地域との結びつきを大切にしています。
彼は農家としての道を貫き、訪れる困難を乗り越えようと日々奮闘しています。しかし、昨年自らの体調を崩し、一時農業を休むことになった経緯もあり、自信を持って再開することが難しい時期でした。それでも、彼には農業への情熱が溢れています。
固定種へのこだわり
居積農園の特徴は、固定種の野菜にこだわっている点です。固定種とは、農薬や化学肥料を使用せず、自然な方法で育てられた品種のことで、その野菜の特性がしっかりと固定されています。これにより、従来のF1種に比べて味が濃い野菜が収穫できます。
市場に流通するF1種は、形が揃いすぎていたり、産地の風味を感じられなかったりすることが多いですが、居積農園では「自然の恵みを生かした野菜作り」を実践しています。その結果、見た目には不揃いでも、より風味豊かな野菜を作り出しています。
クラウドファンディングの目標
居積さんのクラウドファンディングは、以下のような具体的な目標に向けて行います。
- - ビニールハウスの修繕と新設:古くなったビニールハウスを修理し、新たに設置することで、安定した生産体制を確保します。
- - 露地での固定種野菜の栽培:所有地を利用して、固定種の野菜を栽培する計画が進行中です。
- - ハーブ栽培の拡充:新たなビニールハウスを建設して、ハーブの栽培を広げ、加工品の製造を予定しています。
これらの取り組みを通じて、地域の環境に配慮した持続可能な農業を目指しています。
今後の展望
居積さんの夢は、次世代に語り継がれるような農業を実現することです。「安心で安全な食を届け続ける」「将来的にはハーブの観光農園事業を立ち上げたい」と、ビジョンは広がっています。
台風や自然の厳しさに直面しながらも、「農家であり続けたい」という強い思いを抱いている居積さん。彼が取り組む農業は、ただの生産活動ではなく、地域への愛と未来への希望に満ちています。私たちも居積農園の取り組みを応援し、その活動が多くの人々に届くことを願っています。