中高生の部活をめぐる親の心理と対策
近年、部活における中高生の悩みが注目されています。株式会社アタムが実施した調査によると、親の68.6%が子どもから「部活がきつい」「辞めたい」と言われた経験があることが明らかになりました。これは、親としては悩ましい選択を常に抱えていることを示しています。
調査の背景と概要
アタムアカデミーは、中高生を持つ親240名を対象に「子どもの部活」に関する意識調査を行いました。この調査は2024年9月28日から10月12日の期間にインターネットを通じて実施され、有効回答数は240件にのぼりました。母親146名、父親94名が回答し、年代は20代から50代以上まで多岐にわたりました。
中高生が部活を辞めたい理由
調査の結果、子どもから「部活を辞めたい」という声が上がる理由はさまざまです。主なものには、
- - 人間関係の問題
- - 体力的な疲労
- - 他に関心のあることがある
- - 技術の伸び悩みや辛さ
が含まれています。これらの理由から、子どもは自分の意思を伝え、親はどう対応すべきか悩むこととなります。
親が取るべき対処法
特に印象的だったのは、子どもが部活を辞めたいと言ったときの親のリアクションです。
1位: 話を聞く(190人)
多くの親はまず「話を聞く」ことが重要だと考えています。子どもがなぜ辞めたいのか、どう感じているのかを理解することが、次のステップにつながります。具体的には、「理由を整理し、今後の話をする」「わがままか、いじめの可能性もあるためまずは話を聞く」といった意見が目立ちました。
2位: 再考を促す(70人)
体罰やハラスメントではない場合、再度考え直すことを促す親も多いです。「私自身が学生時代に踏みとどまった経験がある」「もう少し頑張ればいい思い出になるかもしれない」との意見もあり、自分の経験を重ねる親も多く見られました。
3位: 辞めさせる(60人)
「嫌なら辞めてもいい」と伝え、子どもの考えを尊重する意見もしかし、時には気持ちを優先し、「辞めると決めたのであれば辞めさせる」という声も。子ども自身が決めることが大事だと考えています。
4位: 休ませる(50人)
一旦休ませることを提案する親も。気持ちを整理し、少し距離を置くことが重要と考えるようです。
5位: 本人に任せる(40人)
完全に本人に任せる家庭も存在しますが、その際にはアドバイスを忘れず、両者の対話を継続することが鍵となるでしょう。
相談の先
部活が辛いと感じた際、親が相談したい相手として「顧問や先生」が最多の票を集めました(64人)。逆に「誰にも相談しない」と答えた人も50人おり、親自身の経験やインターネットから情報を集めて対処しようと思う人も一定数いるようです。
部活を辞めることについての考え
親が子どもの部活動辞退についてどう考えているのかも興味深い結果が出ています。1位は「子どもに任せたい」で109人がこの意見を持ち、本人の意思を尊重することが主流であるようです。それに対し「できれば続けてほしい」という意見が見られる一方で、あくまで子どもの考えを深く知りたいという親が多いことがうかがえます。
まとめ
子どもが部活を辞めるということは、親にとっても非常にデリケートな問題です。この調査からわかるように、親はまず話を聞くことで子どもの気持ちに寄り添い、最終的には本人が決断できるようサポートしていくことが重要です。部活が辛くなった際には、ぜひ冷静に話し合う場を持つことを勧めます。
専門家の視点
NPO法人親子コミュニケーションラボの代表理事、天野ひかり氏は「親と会話をすることで子どもは自分の考えを整理できる」と強調。他にも、感情を受け止めることの重要性や、最終的には子どもが自分で決断を下せるようにサポートすることが大切だと語っています。
詳しい専門家としての考察は、天野氏の公式サイトで公開されています。