京都市蹴上浄水場に新設備が登場
2024年11月、京都市の蹴上浄水場に新しい粉末活性炭注入設備「カーボジェット®」が正式に導入されました。この取り組みは、水ing株式会社のグループ会社である水inエンジニアリング株式会社が手掛け、京都市上下水道局の依頼を受けて進められたものです。
蹴上浄水場の背景
蹴上浄水場は、1912年から給水を開始した国内初の急速ろ過式浄水場です。琵琶湖を水源としている同水場では、プランクトンの増殖が原因で、水質に課題がありました。特に、異臭の発生は浄水処理での大きな悩みの一つで、通常の処理では除去できない物質が含まれていました。
新設備の必要性
従来は湿った状態の粉末活性炭を手作業で注入する必要があり、作業者への負担が大きいという問題がありました。このため、浄水場ではドライ粉末活性炭の導入が進められました。水分が少ないドライ炭を使用することで、作業環境の改善が期待されています。
「カーボジェット®」の特長
新装備「カーボジェット®」は、粉末活性炭を完全密閉した状態で貯蔵槽から沈砂池や着水井へ直接注入することができます。このため、粉塵の飛散を防ぎ、作業環境を大幅に改善。管理面でも高い評価を得ており、浄水水質改善技術として期待されています。このシステムは、運転性と維持管理性にも優れており、エネルギー効率の面でも優位です。
工事概要
本工事は、2022年11月から2024年9月まで続けられ、総契約金額は825,105,000円(税抜き)で、設備設置に伴う機械、電気、そして建築設備工事が含まれています。また、同水場の毎日の処理能力は驚異の198,000㎥で、地域の水環境を支えています。
未来への貢献
水ingグループは水処理施設の設計から運営、維持管理までを手掛けており、地域の水環境を守ることを理念としています。今後も持続可能な水インフラの発展に貢献していく姿勢を崩しません。新たな設備の導入により、より快適で安全な水環境を提供することが期待されます。
これからの京都市の水質改善に向けた一歩として、「カーボジェット®」の運用が始まります。地域住民にとっても幸せの源となることでしょう。