芝浦工業大学が新しいデザイナーかご台車を発表、運ぶだけではない将来性を見据えて

新しいデザイナーかご台車「DANDY PORTER KAKU CROSS」の誕生

2023年12月25日、芝浦工業大学のデザイン工学部と花岡車輌株式会社の共同開発により、新たなかご台車「DANDY PORTER KAKU CROSS」が販売を開始しました。このプロジェクトは、大学の授業「プロジェクト演習」から始まった授業の成果として、デザインと機能を融合させたユニークな製品に仕上がっています。

進化したかご台車が意味するもの

この新しいかご台車は、ただ荷物を運ぶ道具というだけではなく、見せる、使うという新たな概念を取り入れています。特に注目すべきは、上部に設けられた独特のクロス構造です。これによりハンガーオプションを取り付けることで、衣類やさまざまなアイテムを吊り下げることが可能になります。有孔ボードオプションとの組み合わせによって、展示スペースとしても活用できるため、商業施設やホテルでの利用シーンが広がります。

また、荷台にはソファやテーブルを置くことができ、簡易的な休憩スペースとしても機能します。これにより、かご台車が新たな価値を持ち、実際の運用においても利便性を大きく向上させています。

共同研究の背景と過程

本プロジェクトは、2023年4月に芝浦工業大学のデザイン工学部で実施された演習授業の一環で始まりました。学生たちは「花岡車輌株式会社の可能性を広げる」ことをテーマに、ライフ＆インテリア事業の拡大に寄与するためのデザイン提案を行いました。提案者である坂井美穂さんと宮本比陽子さんの「かご台車がダサいのは当たり前なのか」という発想が高く評価され、共同研究開発がスタートしました。

責任をもって提案を行った二人の学生が、その後の開発にも参加。約1年半に及ぶプロセスの中で、デザインの見直しはもちろん、ターゲットユーザーや使用シーンの再設定も行われました。このように、生産面やコストを意識しながらの実践的なアプローチが大きな特徴です。

国際物流総合展でのデビュー

2024年9月、製品開発の試作モデルが国際物流総合展2024で展示されると、坂井さんと宮本さんは説明員として参加。来場者との直接的なコミュニケーションを通じて貴重なフィードバックを受け、その声を製品開発に反映させることができました。これにより、さらなる改善や進化に向けた貴重な情報を得ることができたといいます。