70周年を迎えた日本拳法道場・洪游会の伝統と未来
現在、70周年を迎える日本拳法の道場、洪游会(こうゆうかい)。ここは、日本拳法の黎明期に宗家である澤山宗海先生の指導のもと、初代会長の中野満によって設立された歴史ある武道場です。設立以来、洪游会本部道場は日本拳法、柔道、剣道、居合抜刀術など多岐に渡る武道の稽古が行われ、現在も多くの道場生がここで学んでいます。
洪游会の設立に際し、澤山宗家による「戦後の日本武道家の拠り所」という強い使命感が込められていました。公益財団法人・日本拳法会の本部事務局が道場内に設けられ、多くの武道家たちが活動を通じて日本の武道の発展に寄与しています。
歴代会長の影響と道場の発展
二代目会長として道場を牽引した中野誠氏は、日本拳法会副会長として、その活動を広げ、全国連盟の実現に向けた大きな役割を果たしました。彼は、大阪府連盟の代表としても数々のプロジェクトや大会に関わり、道場を発展させるため尽力しました。
現会長の中野文武氏も、様々な役職を持ちつつ、日本拳法全国社会人連盟や大阪府連盟で大会運営を行い、また公認審判や医務救護員としても活動しています。こうした努力の歴史は、累計8000人を超える道場生を輩出することに繋がってきました。
脈々と受け継がれる理念と伝統
洪游会の道場内には、「自他共栄」という教えが書かれた墨額が掲げられています。これは、柔道の創始者である嘉納治五郎先生の直筆であり、道場の精神を象徴しています。また、会旗に描かれているヤタガラスの紋章は、歴史ある武道場、洪火会を由来としたものです。これらの伝統は、武道家たちにとって大切な精神的支柱となっています。
実戦的な武道としての日本拳法
日本拳法は、空手や柔道、古武術などの要素を取り入れた非常に実戦的な武道です。特徴的な“乱取り稽古”では、防具をつけて実際に打ち合いや蹴り合いを行います。技術体系は突きや蹴り、投げ技、関節技など多彩で、実践力が求められます。このような実践的な技術が、自衛隊の徒手格闘や警察の逮捕術にも取り入れられている理由です。
70周年を機に未来を築く
70周年を迎える洪游会では、重要文化財登録の可能性が見えてきています。道場の維持には資金が必要であり、約700万円から800万円の修繕費が見込まれています。台風による被害の修復や耐震・防火改修も含め、今後も道場を存続させるための努力が求められています。次世代へこの貴重な道場を継承するためには、現代に即した改修や設備の充実が不可欠です。
道場の運営には、皆様からのご支援が不可欠です。現在、クラウドファンディング「CAMPFIRE」にて道場生体験権や70周年記念品を返礼品として提供しています。この機会にぜひ洪游会にご注目いただき、支援をいただければと思います。
詳しくは
CAMPFIREのページをご覧ください。