芦屋釜の新たな展開
2023-11-11 08:50:02
失われた芦屋釜がもたらす新たな伝統と楽しみ方
福岡県芦屋町に伝わる伝統文化、芦屋釜が復活を遂げ、カルチャーや生活に新たな息吹を吹き込んでいます。茶の湯釜として高名なこの名器は、その端正な形状と独特の製法で、国の重要文化財にも指定されています。しかし、江戸時代には姿を消し、かつての美しい伝統は幻の存在となっていました。その後、平成の時代に芦屋町の復興事業によって、学術的な研究に基づく製作法で見事に蘇りました。
復活の背景
復元された芦屋釜は、特にその繊細な作りや美しいフォルムで知られています。国の重要文化財に指定された9点の茶の湯釜のうち、なんと8点がこの芦屋釜に該当するのです。近年、この芦屋釜の復興には、鋳物師の樋口陽介氏が深く関与し、彼は16年間の修行を経て独立し、自らのブランド『芦屋鋳物陽』を立ち上げました。
日常に寄り添う伝統
樋口氏は「伝統を身近に」「日常を彩る」をテーマに、薄造りの鋳物技術を生かした錫製酒器を作り上げました。これらの酒器は、芦屋釜の職人技が込められており、そのデザインは使い手を意識した細やかな工夫が施されています。内側の鋳物砂の肌合は、飲み物の泡立ちを改善し、口触りをまろやかにするなどの工夫が成されています。サイズ感や見た目も洗練されており、実用性と美しさを兼ね備えています。
錫製酒器の魅力
日本の伝統的な酒器として知られる錫製酒器は、特に優れた機能性を持っています。じつは、古くから水を浄化する効果があるとも言われています。熱伝導性に優れ、冷酒や温酒を容易に楽しむことができ、割れにくい特性も持っているため、長年にわたり使うことができます。そして、何より、お酒の味をまろやかにし、お客様に特別な時間を提供してくれるのです。
未来への願い
2023年には新たな出会いが増え、誰かと過ごす大切な時間を意識する機会が多くなっています。この背景に触発され、樋口氏は芦屋の空と海をテーマにした酒器『天地の詞』をデザインしました。この商品の誕生は、伝統文化と新しい価値観の融合を象徴しており、手に取ることで毎日の時間がより豊かになることでしょう。皆さんもぜひ、日常の中で上質な時間を過ごすアイテムとして、この新たな酒器を手に入れてみてはいかがでしょうか。
会社情報
- 会社名
-
芦屋鋳物 陽
- 住所
- 福岡県遠賀郡芦屋町山鹿25-17
- 電話番号
-
090-3079-6179