山梨県が進める介護離職ゼロ社会への道
山梨県が新たに設立したケアラー支援推進本部は、介護や看護の理由で職を離れた人々の支援を強化することを目的としています。この点について、8月20日に開催されるビジネスケアラーセミナーは、特に注目されるべきイベントです。このセミナーでは、株式会社チェンジウェーブグループの酒井穣取締役が基調講演を行い、続いて地域の重要な関係者によるパネルディスカッションが予定されています。
セミナーの背景
最近のデータによると、山梨県内で介護や看護を理由に仕事を辞める人が年間1,000人以上に達しており、この問題は特に深刻化しています。これは、特に団塊の世代が後期高齢者に差し掛かる2025年問題の影響を受けています。このような中で、長崎幸太郎知事は、ケアラー支援推進本部を設置し、県全体での協力を図る姿勢を示しました。彼は定例記者会見で、「介護離職ゼロ社会」実現に向けた具体的な施策を強調しました。
さらに、2024年から施行される改正育児・介護休業法により、企業が労働者をサポートする責任が強化されます。この変化に対応するために、ビジネスケアラーの存在がより重要になると言えるでしょう。
セミナーの詳細
ビジネスケアラーセミナーは、山梨県甲府市にあるベルクラシック甲府で15時から開催されます。第1部では、酒井氏が「ビジネスケアラー 働き盛りの両立のリアル 〜仕事を軸に考えるサスティナブルな両立体制構築とは〜」というテーマで講演します。この講演では、仕事と介護の両立についての具体的な課題と解決策が語られる予定です。
第2部では、知事や企業、さらには介護や子育てに関わる専門家と共に、「山梨におけるケアラーの現状と課題」をテーマにしたパネルディスカッションが行われます。地域のニーズに基づいた具体的な支援策が議論され、新しい発見があることでしょう。
酒井穣氏のプロフィール
酒井穣氏は、慶応義塾大学理工学部を卒業後、Tilburg大学で経営学の修士号を取得しました。その後、さまざまな職種を経て、2016年に株式会社チェンジウェーブグループを設立しました。彼自身も介護経験が長く、認定NPO法人カタリバの理事としても活動しています。介護に関する多くのメディア出演や著書があり、業界内で広く知られています。
参加方法
参加希望者は、山梨県の公式ウェブサイトから申込書をダウンロードし、必要情報を記入の上、指定の方法で申し込むことが必要です。このようなイベントは、地域社会におけるケアラー支援の重要性を再認識させることにつながります。
山梨県での介護や仕事の両立を支援する新しい動きが形成される中、今後どういった展開が待っているのか、注目されます。