震災後の大学生の意識変化
2011-12-05 10:00:02
震災がもたらした大学生の意識変化。狭く深い絆を求める新たな関係性とは
大学生の意識変化と震災の影響
東日本大震災以降、日本社会はさまざまな変化を経験しました。特に大学生の意識にも大きな影響が及び、友人との関係性が見直されています。社団法人東京広告協会が実施した「大学生意識調査プロジェクトFUTURE2011」の結果によると、約51.9%の大学生が「狭く深く付き合いたい」と回答したことが明らかになりました。この数値は、震災前の41.3%から大きく上昇しており、震災がもたらした意識変化を如実に示しています。
震災前の「広く深く」から「狭く深く」へ
震災前、多くの大学生はソーシャルメディアを介して、多くの友人と広く繋がることを重視していました。ですが、震災を契機に、より信頼できる友人との深い関係を求める傾向にシフトしています。この変化は、身近な友人との絆を深めることが、心理的な安定感や支えをもたらすと感じるようになったことを意味しています。
消費意識の変化
調査によれば、震災後に消費意識が変化したと感じる大学生は34.5%に上ります。具体的には、友人や家族との繋がりを大切にするために、外食や遊びに費やすお金は増加している一方、ファッションやゲームなどの個人的な楽しみに使うお金は減少しています。このことは、大学生が自己を見つめ直し、将来の安定や人との繋がりをより重視するようになったことを示唆しています。
SNSを通じた繋がりの再確認
さらに、SNS、とりわけTwitterの利用が震災後に増えた大学生も多いという結果が出ました。震災後、情報の収集や友人との連絡手段としての必要性から、Twitterの利用率が上昇。利用者の理由としては、「速報性が優れている」との声が多数を占めました。同様に、他のSNSでも人との繋がりを再確認したいという目的での利用が増加していることがわかります。
日本の未来に対する意識
調査の結果、日本の大学生が今後目指すべき国の姿として「経済大国」が第一位に上がった一方で、意外にも「思いやり大国」の声も上がりました。これまでハード面での成長を重視してきた日本社会が、ソフト面としての「思いやり」の重要性を再認識していることが浮き彫りになっています。これは、これからの日本社会においても、人との関係性や気遣いがますます重要視されることを示唆しています。
まとめ
震災を経た大学生の意識には、友人との関係を狭く深くする傾向や、消費活動が将来に備える方向へシフトする変化が見受けられます。今後の日本が「何の大国」として成長するのか、そして「思いやり」を大切にする社会を築いていけるのか。大学生たちの意識の中に新たな希望が見え隠れしています。今後の動向に注目が集まることでしょう。
会社情報
- 会社名
-
公益社団法人 東京広告協会
- 住所
- 東京都中央区銀座7丁目4番地17号電通銀座ビル7階
- 電話番号
-
03-3569-3566