大学生のディスカッション
2024-12-04 12:29:38

『ジェンダー・ディスカッションブック』を用いた大学生による新たな視点の発見

はじめに


2024年8月に刊行された『ジェンダー・ディスカッションブック SDGsで学ぶ!性別格差がない未来』は、公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンの手で、私たちに身近なジェンダー問題を考える素晴らしいリソースとなっています。今回はこの書籍のディスカッションシートを活用し、大学生6名による話し合いの様子をレポートします。書籍は、学校生活から家庭、そして国際的な視点での性別格差について考えるきっかけを提供しており、特に多様性や対話の重要性を強調しています。

ディスカッションのテーマ選び


参加者の大学生たちは、全25のテーマの中から一つを選びました。選ばれたのは「大学の工学部における性別の偏り」です。このテーマは、工学部の進学説明会に参加する生徒がほとんど男子生徒であるという現実を論じるものでした。

話し合いに先立ち、ファシリテーターが意見交換のルールを伝え、安心して自由に発言できる環境を整えました。

自由な意見表出


ディスカッションが始まり、参加者はイラストを見ながら思いつくことを自由に発言しました。あいささんは、自身の高校での理系クラスに多くの男子生徒がいたことを話し、理系科目への選択が性別で偏る現象について言及しました。れみさんは女子校出身で、理系クラスの女子についての観察を述べ、せらさんも同様の体験を共有しました。これに対し、あいささんは「現状はイラストとは違い、理系を希望する女子が多いかもしれない」と指摘しました。

次に、れいさんが「男子は理系や数学が得意」とされる先入観について語り、これが女子学生の意識や成績に与える影響を指摘しました。いろんな環境要因が、若い女の子たちの理系への道を狭める要因となっているようです。

理系選択の障壁


ゆりこさんは、理系を選ばない女子学生の中には将来のキャリアを重視しない意見が多い点を指摘。他の参加者たちも、理系の職業に就くことが結婚や出産に影響を与えるのではと懸念を表明しました。また、親世代の考え方にも触れながら、女性の進路選択について様々な視点を提供しました。

特に、ゆりこさんは自身の母の経験を語り、研究職における女性の難しさや、企業のサポートが不可欠であるという現実を強調しました。これに対し、参加者たちは家庭と仕事の両立に苦労しないためには、組織全体の支援が重要だと話しました。

ファシリテーターによる振り返り


15分間のオープンディスカッションを経た後、ファシリテーターの長島さんが加わり、話題を深めるための質問を投げかけました。特に日本における理系女子の数は低く、この状況がどのようにして維持されているのか、学校や家庭でどういった影響があるのかを再確認しました。

長島さんは、STEM教育の重要性を強調し、周囲の大人の影響力が子どもたちにもたらす影響について改めて考える重要性を訴えました。この会話を通じて、参加者たちは「ステレオタイプの脅威」という概念に触れ、どのようにこれが進路選択に関与しているのかを整理しました。

総括


ディスカッションの終わりには、参加者たちがここで得た学びを持ち帰ることを確認しました。各自が様々な背景を持ちつつも、実際に体験したことを元に意見を交わし合えたことがとても貴重であったのです。また、性別に関する先入観が教育や進路にどのような影響を与え続けているのかを、改めて考える機会に恵まれました。今後も、こうしたブックを通じたディスカッションが広がることで、より多くの人々がジェンダー問題について考える契機となることを期待しています。

書誌情報


  • - タイトル: ジェンダー・ディスカッションブック SDGsで学ぶ!性別格差がない未来
  • - 著者: 公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
  • - 定価: 本体2,200円+税
  • - ページ数: 136ページ
  • - ISBNコード: 978-4-7726-1565-5
  • - ダウンロード可能なディスカッションシート25枚付き

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会社名
合同出版株式会社
住所
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電話番号
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