リコーが日本語に特化した次世代LLMを開発、低コスト導入が可能に

リコー、次世代日本語LLMを発表

株式会社リコーが自社の大規模言語モデル（LLM）シリーズの新モデルを発表しました。このモデルは、Googleの提供するオープンモデル「Gemma 3 27B」を基に開発されており、オンプレミス環境への導入に特化した設計となっています。リコーは、約1万5千件の独自データを用いて性能を大幅に向上させ、多種多様な Chat Vector を開発しました。

高性能と低コストの両立

このLLMは270億パラメータを持つコンパクトな設計でありながら、ユーザー体験を重視した非推論モデルとしての特性を生かしています。その結果、初期応答性が高く、ビジネスシーンでの活用に適しています。また、PCサーバーでの導入が可能で、低コストで始められる点が大きな魅力です。

環境への影響を考慮し、省エネルギー設計も取り入れられており、市場におけるLLMの電力消費問題に応える一助としています。

ビジネス用途に最適

リコーはお客様のニーズに応じた個別提供を行い、その後、2025年12月下旬からはエフサステクノロジーズが提供する「Private AI Platform on PRIMERGY」と統合されたモデルの提供を計画しています。このプラットフォームにより、リコーの新LLMと生成AI開発プラットフォーム「Dify」がプリインストールされ、ノーコードでのアプリケーション開発が可能になります。

これにより、業種や業務に特化した生成AIアプリケーションを短期間で立ち上げることができ、AIの専門人材を持たない企業でも安心して利用を開始できる体制が整います。また、リコージャパン提供の「Dify支援サービス」によって、企業のDXをさらに促進することができます。

評価結果と今後の展望

リコーの新モデルは、日本語に特化したベンチマークテストでも高い評価を得ています。「ELYZA-tasks-100」や「Japanese MT-Bench」といった、日本語のマルチターン対話能力を評価するテストにおいて、同規模の最先端モデルと遜色ないパフォーマンスを示しました。

今後は、さらなる推論性能や業種特化モデルの開発に注力し、リコーのLLMラインアップを強化していく方針です。リコーは、お客様のデジタルトランスフォーメーションの支援に取り組み、ビジネスの未来を共に切り拓く姿勢を示しています。