目指せるは「論破しない大人」
2025年3月20日に発売されるフォレスト出版の新作『詭弁・暴言・論破に打ち勝つロジカルコミュニケーション』は、日本の著名な論理学者、高橋昌一郎氏が手掛けた一冊です。本書では、「ロジカルコミュニケーション」の重要性と、その実践方法を深く掘り下げています。現代社会において、特に大切なスキルであるこのコミュニケーションスタイルがどのように役立つかを考えてみましょう。
ロジカルコミュニケーションとは?
本書の中心テーマは「ロジカルコミュニケーション」です。これは、単に意見を述べ合うだけではなく、相手の意見を理解し、理由を把握することに重きを置いています。意見が異なること自体が問題ではなく、その背景にある理由をしっかりと検討することが重要であると著者は強調します。特に、賛成と反対の視点から見た論点を洗い出し、自分にとっての価値を見極めながら新しいアイディアを引き出すディスカッションを促進します。
現代のコミュニケーション事情
現代の日本では、相手を「論破」しようとするコミュニケーションが主流になっている傾向にあります。相手の主張を黙らせ、「はい、論破!」と勝利を誇示する場面は数多く見受けられます。このようなコミュニケーションスタイルでは、実際には深い理解や建設的な意見交換が難しくなります。しかし、高橋氏が提唱するロジカルコミュニケーションは、そのような詭弁や暴言に打ち勝つ方法を示しています。
本書の内容と構成
本書は5つの章で構成されています。
- - 第1章:基礎 では、論理的思考とコミュニケーションの基本を学びます。ここでは、ロジカルコミュニケーションに必要なマナーを身に付けることが目的です。
- - 第2章:応用 では、論理記号や思考の本質に焦点を当て、誤解を避けるための理論的な知識を身に付けます。
- - 第3章:論証 では、妥当性に基づく論証の技法を探り、アリストテレス以降の論理学の伝統を辿ります。
- - 第4章:パラドックス では、古典的な論争やパラドックスを論理的に考察し、その興味深さに迫ります。
- - 第5章:ジレンマ では、現代の難解な社会問題についての議論を通じて、ロジカルコミュニケーションの楽しさを体験します。
読者へのメッセージ
本書は、特にコミュニケーションに苦手意識を抱えている方々にとって絶好のリソースです。家庭や職場でうまく会話できない、他者との距離を取るのが難しいと感じている方々に、本書は大きな助けとなるでしょう。さまざまな社会的問題に対し、論理的な対話を通じて理解を深め、最善の解決策を見出す力を身につけることができます。
最後に、本書は一気に読み進める必要はありません。自分の興味に合わせてセクションを選び、繰り返し読み返すことで、より深い理解が得られるでしょう。論理的思考とロジカルコミュニケーションの技術を身に付けるための第一歩として、ぜひ手に取ってみてください。