STマイクロエレクトロニクスが新たな高精度測位技術を発表
STマイクロエレクトロニクス(NYSE: STM)は、センチメートル級の測位精度を持つ革新的な衛星ナビゲーション・レシーバ「Teseo VI」ファミリーを発表しました。これは自動車の先進運転支援システム(ADAS)や自動運転車における高精度の位置情報を可能にする重要な技術です。
Teseo VIの革新性
Teseo VIシリーズは、複数の衛星信号を同時に受信できるマルチ衛星・クアッドバンド受信機能を搭載しています。この受信機は、車両運行の安全性に直結する重要な要素となります。特に自動車用途においては、スマートな機器管理や農業分野での作物監視など、様々な新しいユースケースに対応できるよう設計されています。また、コスト効率に優れた設計により、高精度測位が求められる新しい市場の開拓が期待されています。
STのデジタル・オーディオおよびシグナルソリューション担当ジェネラル・マネージャーのLuca Celant氏は、「Teseo VIは、センチメートル級測位に必要なすべてのシステム要素を1つのチップに集めた初の製品です」と語り、その技術的なブレークスルーについて説明しました。
高精度測位で広がる可能性
Teseo VIによって、特に都市部の高層ビル間などの厳しい環境でも信号受信が安定し、測位機器開発が容易になります。製品開発のスピードも向上し、小型・軽量化が進むことでより多くの電子機器に組み込みやすくなります。これらの機能は、ADASや自動運転を目指す企業にとって、極めて重要な要素といえるでしょう。
さまざまな技術の集大成
Teseo VIには、「Teseo VI STA8600A」と「Teseo VI+ STA8610A」の2種類があり、どちらも独立した2つのArm® Cortex®-M7コアを搭載しています。これにより、パワフルな32bit処理が可能で、ローカルで全機能を制御できる点が特徴です。また、STが認定したパートナー企業が提供する高精度測位エンジンとの連携によって、さらに精度を向上させることができます。
加えて、Teseo APP2 STA9200MAは、冗長性を確保しつつセキュリティ機能も充実させています。これにより、車両の制御や誘導などの機能が安全に実行できる環境を提供します。
結論
STマイクロエレクトロニクスの新しい高精度测位レシーバICファミリ「Teseo VI」は、自動運転やさまざまな産業アプリケーションへの導入が期待されている革新的な技術です。これにより、より安全で効率的な未来のモビリティが実現されるでしょう。これからの展開に注目が集まります。
詳細はST公式サイトにてご確認ください。