#慶應義塾大学 #免疫グロブリンG #抗体検査技術

新たな抗体判定技術の開発

近年、医学の進歩とともに、抗体の品質管理はますます重要な課題となっています。それに応える形で、慶應義塾大学理工学部と産業技術総合研究所の研究者たちが、新たな技術を開発しました。この技術は、免疫グロブリンG（IgG）の変性度を迅速かつ簡便に判定することを可能にします。

免疫グロブリンG（IgG）とは？

免疫グロブリンGは、体内でウイルスや細菌を排除する役割を持つ重要な抗体です。このIgGは、医療分野では診断薬や治療薬として多く用いられ、今や欠かせない存在となっています。しかし、IgGは環境の影響を受けやすく、製造・保存・使用の各過程で変性することがあります。変性したIgGは、本来の機能を失うため、品質管理が求められています。

発光反応による変性度の判定

今回、研究チームはIgGがルシフェリンの発光反応を触媒する「擬似ルシフェラーゼ活性」を持つことを発見しました。この発見に基づいて、新たに設計・合成したルシフェリンは、IgGの構造に応じて異なる波長の光を発します。この発光の変化を測定することで、IgGの変性度を定量的に評価できるのです。

高感度な測定方法

特筆すべきは、開発した技術が従来の蛍光分析法よりも高い感度を持っている点です。ルシフェリンをIgGと混ぜるだけで、たった3分以内に測定が完了します。これにより、抗体医薬品の品質管理や診断薬の開発において、大きな進展が期待されます。

今後の展望

この研究の詳細は、2025年4月30日に「Analytical Chemistry」に発表される予定です。技術の実用化が進めば、医療現場での抗体の品質評価が効率的に行えるようになり、患者の安全性向上にも寄与することでしょう。

新たな技術がもたらす可能性を考えると、未来の医療はより安全で効果的なものになるに違いありません。今後の研究成果に期待が高まります。

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