たった2か月で1億円を超えた注目のバッグ『TRANS-CARRY™』の成功秘話

2025年12月14日、GLOBAL FLY株式会社が展開した『消えるキャスター』を搭載する変形バッグ「TRANS-CARRY™」のクラウドファンディングが、応援購入総額1億円を突破しました。本プロジェクトを手がけたのは、24歳の若者たち。彼らは長年の旅行経験から生まれた独自の視点を基に、移動の困難を解決する革新的な提案を行いました。

新しいバッグの誕生

このバッグの縁の下の力持ちとなったのは、代表の戸部氏です。彼は日本とベトナムのハーフとして、幼少期からさまざまな国を訪れてきました。旅の中で、スーツケースとリュックという二択にしか選べない不便さに気づき、使用シーンに応じて形状を変更できるバッグの必要性を感じました。この発想から『TRANS-CARRY™』の開発が開始されたのです。

開発の道のり

戸部氏は、構想を実現するために自ら海外の製造パートナー探しに奔走しました。数十社にアプローチした結果、彼のビジョンに賛同する製造パートナーと出会い、共同で製品開発を進めました。特に、このバッグの最大の特徴である「キャスター格納構造」の開発は非常に困難で、軽量性と耐久性を両立させるための設計に苦しみました。

その結果、約2年の開発期間を経て、特許出願中の独自の機構である「消えるキャスター」の完成に至りました。この革新が製品をひときわ際立たせ、多くの注目を集めることにつながったのです。

クラウドファンディングでの成功

開発が進む中で、資金調達が大きな課題となりました。自己資金だけでは進められないと判断し、クラウドファンディングに挑むことに。大学時代の友人である鴇田氏と共に立ち上げたプロジェクトは、開始10分で1,000万円の支援を超えるという驚異的な滑り出しを見せました。その後も支援は続き、最終的に4,843人からの支援を受け、1億円を突破しました。この結果は、バッグパックジャンルにおいて日本歴代の最高記録でもあり、最年少での達成という快挙となりました。

背景にある市場のニーズ

近年のLCC（格安航空会社）の普及により、旅行者は手荷物の制限に悩まされてきました。その中でスーツケースかリュックという二択に困っていた人々に、「TRANS-CARRY™」はまさに新たな選択肢を提供。キャスターを収納できる機能によって、状況に応じた使い分けが可能になり、旅のストレスを軽減することに成功しました。

旅の哲学とブランド理念

WIMというブランド名には「衝動を解放する旅」が込められています。ブランド理念は「MOVE YOUR WAY」とし、ただ旅を快適にするのではなく、日常の中に埋もれた好奇心を呼び覚まし、ありのままの自分を取り戻すことを目指しています。

今後の展望

今回の成功を弾みに、彼らは「旅行における新たな選択肢を、日本から世界へ」とのビジョンを掲げてグローバル展開も視野に入れています。週を追うごとに多くの支持を得る中で、彼らの挑戦は始まったばかりです。

このプロジェクトを通じて、彼らの情熱が今後どのように形を変えて、さらなる革新を生み出すのか目が離せません。