共英製鋼と鹿島が進めるサーキュラーエコノミーの取り組み
共英製鋼株式会社と鹿島建設株式会社は、有害物質が含まれる金属廃棄物を無害化し、再資源化することでサーキュラーエコノミーを実現する新たな取り組みを始めました。このプロジェクトは、特に建物の解体に伴って発生する鉛含有塗料や石綿(アスベスト)などの有害物質が付着した金属廃棄物に焦点を当てています。
有害物質の背景
1960年代以降、鉛や石綿は主に社会インフラ建設に使用されてきましたが、1990年代以降、これらの物質によって健康に深刻な影響が及ぶことが確認され、使用が制限されています。現在、多くの古い建物が取り壊される時期を迎えており、その際に出る有害金属廃棄物の安全で有効な処理が求められています。
取り組みの流れ
本プロジェクトでは、共英製鋼が処理する金属廃棄物を鹿島が得た製品(エシカルスチール)として利用します。このサイクルを確立することで、無害化・再資源化が実現されます。共英製鋼は、電気炉技術を駆使し、有害物質を無害化しながら、金属部分を再資源化します。
企業の役割
共英製鋼は、国内で唯一、鉛と石綿を同時に処理する許可を持つ企業です。彼らは無害化溶融処理を行い、環境に優しい形で鉄鋼製品を生成します。一方、鹿島は解体工事を通じて出る廃棄物の処理を共英製鋼に依頼し、得られた製品を建設資材として使用します。
本取り組みの特長
この取り組みにより、従来求められていた現場での剥離作業が不要となり、作業者の健康リスクが大幅に低減されます。また、廃棄物の埋立処分がなくなるため、環境にも貢献します。
未来への展開
今後、共英製鋼はこの取り組みをさらに広げ、当該産業廃棄物の処理を国内の他の事業所にも拡大する計画です。共英製鋼と鹿島は、持続可能な社会を目指して、サーキュラーエコノミーを推進していくことを約束しています。
企業情報
代表者:坂本尚吾
本社所在地:大阪府大阪市北区堂島浜 1-4-16
公式サイト
代表者:天野裕正
本社所在地:東京都港区元赤坂 1-3-1
公式サイト
この取り組みは、環境への配慮が求められる現代において、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となることでしょう。