平尾霊園の墓所
2022-10-07 13:30:01

心に寄り添う風景移り変わる平尾霊園の新たな墓所

福岡市立平尾霊園合葬式墓所が受賞



福岡市の閑静な住宅街に位置する平尾霊園。ここに新たに設けられた合葬式墓所が「2022年度グッドデザイン賞」を受賞しました。これは、キノアーキテクツが設計を手掛けたもので、地域住民や自然との調和を重視したデザインが評価されました。

新設された合葬式墓所の概要



平尾霊園は昭和30年に開園以来、多くの人々に利用されてきましたが、近年の核家族化や死生観の変化に伴い、承継の必要がない合葬式墓所の需要が高まっています。福岡市はこのニーズに応えるため、霊園内に新しい施設を整備することを決断し、キノアーキテクツがその設計を担当することとなりました。

設計にあたって、かつて霊園を造成する際に削られた山に着目しました。新たに発生する掘削土を活用してその山を修復し、山裾を延ばして埋蔵室を設ける巧妙なデザインが施されています。また、山の上には献花所が設けられ、訪れる人々が穏やかな気持ちで故人を偲ぶことができる空間となっています。

ランドスケープと地域との調和



献花所は円弧状の壁とベンチに囲まれ、外部から視覚的に遮られるように配慮されています。その外側には、既存の樹木を活かした公園が設けられ、墓所と公園という普段と特別な空間が隣接しています。これにより、訪れた人々は故人を想いながら日常の生活も楽しむことができるのです。

このように自然と調和した設計が評価され、審査委員からも「近隣住宅との関係を調整し、自然の風景を取り入れながら形成された空間」として絶賛されました。利用者は山の力を借りることで、特定の宗教色が出過ぎず、より多くの人に受け入れられる施設となっています。

社会的インフラとしての役割



建築家の木下昌大氏は、「この施設の設計において、自然環境を壊すのではなく修復へと導くことを心がけた」とコメントしています。すなわち、単なる墓所としての機能だけでなく、自然との共存を意識したサステナブルなデザインを追求したのです。

福岡市の平尾霊園合葬式墓所は、今後多くの市民に親しまれ、故人を偲ぶ場として社会的なインフラとしての役割も果たすことでしょう。これにより、合葬式墓所の価値やデザインの在り方が新たに再定義されることが期待されます。

まとめ



福岡市立平尾霊園の合葬式墓所は、ただの墓という枠を越えた新しい試みとして注目を集めています。キノアーキテクツによるこの斬新な設計は、故人への思いを深めるだけでなく、住環境との調和を目指した取り組みであり、今後の霊園デザインの一つの指針となることでしょう。

会社情報

会社名
株式会社キノアーキテクツ
住所
東京都新宿区下落合2ー25ー9
電話番号
03-6882-9705

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