ギリアドが取り組むCAR T細胞療法の地域格差解消
ギリアド・サイエンシズ株式会社(以下「ギリアド」)は、CAR T細胞療法における地域格差を改善するための寄附プログラムを発表しました。この取り組みは、全国どこに住んでいてもがん患者が平等に治療を受けられる機会を提供することを目的としています。
CAR T細胞療法とは?
CAR T細胞療法は、自身の白血球からT細胞を取り出し、免疫を改変した後、患者に戻すことでがん細胞を攻撃する最先端の治療法です。日本では2019年に承認されて以来、多くの病院で提供されるようになりましたが、その多くは都市部に集中しており、地方に住む患者のアクセシビリティは依然として課題です。特に東京や近畿地方の病院では供給が豊富なのに対し、地方ではアクセスが制限されています。
この背景を受けて、ギリアドは「CAR T細胞療法における地域格差解消のための寄附プログラム」を立ち上げ、2025年4月から7月の期間でアイデアを募りました。
採択された提案
今年度は、数多くの応募の中から3団体の提案が選ばれました。
1.
NPO法人血液情報広場・つばさ
- 提案内容:「CAR-T治療を必要とするがん患者の入院調整を効率化する『マッチングアプリ』の開発」
2.
国立大学病院京都大学医学部附属病院
- 提案内容:「CAR-Tアクセス格差の解消を目指す多層連携モデルの構築」
3.
国立大学病院九州大学病院
- 提案内容:「九州エリアにおけるCAR-T細胞療法の地域格差を解消し、多くの患者が適切に治療へアクセスできる体制の構築」
これらの提案は、いずれも地域住民に対する格差を解消するための具体的なアプローチが含まれており、非常に期待されています。
ギリアドの意気込み
ギリアドの代表取締役社長であるケネット・ブライスティング氏は、「治療選択肢が限られている血液がんの患者にとって、CAR T細胞療法は重要な選択肢です。全国どこに住んでいてもこの治療を受けられる未来を目指して、医療機関との連携を進め、アクセス改善に取り組んでいきます。」と強調しました。これは、ギリアドが優れた医療を提供するだけでなく、患者の権利を守る姿勢を示しています。
募集要項と今後の予定
ギリアドは、今後も地域格差解消のための取り組みを続けていく方針です。募集要項は以下の通りです。
- - 名称:CAR T細胞療法における地域格差解消のための寄附プログラム
- - 応募期間:2025年4月4日~2025年7月7日
- - 応募条件:非営利団体であること、一定の活動報告などが求められます。
ギリアドとKiteについて
Kiteはギリアドの一部であり、カリフォルニア州サンタモニカを拠点に、がん治療に特化した製品を提供しています。ギリアド・サイエンシズは、35年にわたり医療の革新を追求してきたバイオ医薬品企業であり、HIVやがんなど様々な疾患に対する革新的な治療法を開発しています。
この取り組みが全国の患者に福音となることを願っています。