ダイヤモンドMOSFETを用いたDC/DCコンバータの初実験成功
最近、株式会社Power Diamond Systemsが、ダイヤモンドMOSFETを使った非同期整流降圧DC/DCコンバータの実験に成功し、これは世界で初めての試みとされている。これにより、ダイヤモンドMOSFETがパワーエレクトロニクス分野で重要な役割を果たせる可能性が明らかになった。
研究開発に至る背景
ダイヤモンドは、そのワイドバンドギャップや高い絶縁破壊電界、そして優れた熱伝導率を兼ね備えており、次世代のパワーデバイス材料として非常に注目を集めている。特に、ダイヤモンドを使用することで、より小型で低損失の電力変換器が実現できれば、システム全体の電力密度やエネルギー効率が飛躍的に向上する可能性がある。しかし、これまでの研究では、ダイヤモンドMOSFETの高速スイッチング特性は確認されていたが、連続的なスイッチング動作の検証が不足していた。
今回の研究成果
今回の研究では、ダイヤモンドMOSFETを使用した非同期整流降圧DC/DCコンバータを設計・製造し、実際の電力変換回路に組み込むことでその連続スイッチング動作を評価した。このプロセスを通じて、単体のデバイス性能評価だけでなく、実用的な電力変換への適用可能性を検証するに至った。
開発されたDC/DCコンバータでは、出力電圧がデューティ比に応じて変化し、このことがダイヤモンドMOSFETを利用した電力変換回路の実証に世界初めて成功したことを示している。そして、安定したコンバータの動作を通じ、ダイヤモンドMOSFETが連続スイッチング動作に対応可能であることが実証された。
今後の展望
今後、デバイス特性の詳細な評価と実際のアプリケーションに基づく回路およびシステム評価を統合的に進め、次世代のパワーエレクトロニクス分野におけるダイヤモンドMOSFETの実用化を加速する予定である。
注目すべきは、この研究成果が2026年にアメリカのテキサス州サンアントニオで開催されるIEEEのAPEC 2026においてポスター発表されることが決定した点である。この発表は、その内容が非常に質が高く、広い関心を集めるものであると評価されており、ポスター発表セッション全体の中で約8%のみに選ばれるDialogue Preview Sessionにも採択された。
この研究の一部は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託業務および文部科学省の支援によって得られたものである。
会社概要
株式会社Power Diamond Systemsは、ダイヤモンド半導体デバイスの研究開発に特化したスタートアップ企業であり、特にモビリティ分野や再生可能エネルギー分野での応用に向けた次世代パワー半導体として期待されている。ダイヤモンド半導体デバイスの開発を通じて、超小型で高効率なインバータモジュールの実現を図り、エネルギー社会における持続可能な省エネルギーの確立に寄与することを目指している。
会社名:株式会社Power Diamond Systems
所在地:東京都新宿区
代表者:藤嶌 辰也
ホームページ:
Power Diamond Systems