株式会社ITSUKIが、20代から50代のスマートフォンユーザーに対して実施した通信サービスに関する調査結果が発表されました。調査によれば、使用中の通信回線の品質に約4割の人が満足していないという厳しい現実が浮き彫りになりました。この調査は、ユーザーの月間通信量や料金プランの満足度、通信速度や品質に関する評価について広範囲にわたって行われています。
調査の結果、まず明らかになったのは、スマートフォンユーザーの主な通信キャリアです。1位は「docomo」で28.4%、2位に「au」が18.3%、3位には「楽天モバイル」が13.9%となっており、docomoが圧倒的な支持を得ていることが分かります。特に、利用者の通信プランで最も多かった月間データ容量は「3GB」で、次いで「100GB以上」と「10GB」が後を追う形となりました。
さらに調査結果では、実際にユーザーが1ヶ月あたり使用するデータ通信量として、最も多くは「~3GB」であり、46.9%がこれに該当しました。この統計から、契約プランのデータ量とは裏腹に、実際に利用されているデータは少ないことが示されています。興味深いのは、100GB以上のデータを使っているユーザーはわずか5.5%にとどまる点です。
一方、通信品質については、回答者の約40%が「通信品質に満足していない」と答えています。「特に満足」と感じている人は約20.7%となり、ほとんどのユーザーが通信回線の質に疑問を感じていることが分かりました。このような不満が生じる場面として、ユーザーは主に「混雑した駅・ターミナル」や「地下鉄」を挙げており、これらの場所では通信が途切れることが多いとのことです。
さらに、通信に対する不満を解消するためにユーザーが試みていることも調査されました。「Wi-Fiの利用」や「データ容量の変更」などを行うユーザーが少なからずいるものの、実に81.3%は特に何も実行していないことも示されました。この結果からは、多くのユーザーが自身の通信環境について向き合っていないことが見て取れます。
この調査結果は、特にリモートワークや動画視聴など、高速通信が求められる現代の生活において、通信品質への期待が高まっている一方、実際の利用状況はそれに追いついていないことを示唆しています。今回の調査は、国の「Beyond 5G推進戦略」に伴う通信インフラの進展の影響を感じさせるものとなっています。更に、IT企業の株式会社ITSUKIが展開している「クラウドWi-Fi」は、ユーザーが使用する場所によって最適なキャリア回線を提供するサービスです。これにより、特定のキャリアだけでは捉えきれない電波状況が解消される可能性があります。
まとめとして、今回の調査は単なる数字の羅列にとどまらず、多くのスマートフォンユーザーが経験する共通の問題を可視化しています。このデータを基に、今後より良い通信体験が生まれることが期待されます。