株式会社ハイボットとTerna Forwardの新たな協業
ロボティクス分野で顕著な実績を誇る株式会社ハイボットは、イタリアの送電事業者Terna S.p.A.のコーポレートベンチャーキャピタル部門であるTerna Forwardから、戦略的出資を受けたことを発表しました。この資金調達は、両社の2年以上にわたる継続的な技術協力に基づくもので、新たなロボティクスソリューションを活用した送電線の保守作業を目指すものです。
活線保守作業の革新
ハイボットとTernaによる今回の取り組みは、特に「活線状態での保守作業」を実現する革新的なロボットシステムの開発に焦点を当てています。これにより作業員が危険な状況で直接作業する必要がなくなり、作業の安全性が飛躍的に向上します。今まで必要だったヘリコプターを用いた保守作業も不要となり、環境への配慮からもCO₂の排出を大幅に削減できる見込みです。
ハイボットの技術力
ハイボットは、危険な環境やアクセスが難しい地域でのインフラ点検を専門としており、これまで福島第一原子力発電所での実績を含む数々の経験から国際的な信頼を勝ち取っています。Float Armロボットプラットフォームなど、複数の革新的な製品を開発してきました。現在は、デジタルプラットフォーム「HiBox」を利用し、高度なロボットハードウェアとAIによるデータ解析を融合させたソリューションをインフラ事業者に提供しています。
資金調達の意義と今後の展望
今回の資金調達ラウンドでは、株式会社環境エネルギー投資(EEI)とDRONE FUNDが主導し、総額は7億9000万円に達しました。ハイボットにとって、この出資はグローバル展開を加速する次のステップとなります。すでにドイツのアーヘンやアメリカのヒューストンを拠点に、石油やガス、化学、エネルギー、土木・建設などさまざまな分野にロボティクスソリューションを提供している状況です。
ハイボットのCEOミケレ・グアラニエリ氏は、Ternaからの信頼を称賛し、ロボティクスソリューションの進展を一層加速させる意義を語りました。特に、インフラ分野におけるロボティクスの可能性に触れ、今後の展望に期待を寄せています。
投資者の期待
EEIの林隆介氏は、インフラの老朽化問題に対するハイボットの技術が世界中で重要な課題解決に寄与することを期待し、DRONE FUNDも新たな投資家としての関与を強調しました。両社とも、ハイボットの成長が世界中の社会インフラの安全性を高めることを信じ、今後の支援を約束しました。
まとめ
株式会社ハイボットは、送電線保守ロボティクスソリューションの開発を進めることで、業界における重要な技術革新をもたらしつつあります。国際的な展開とともに、未来のインフラ点検技術をリードする存在となることが期待されます。今後の更なる発展に目が離せません。