ノバルティス、腎不全治療薬のRegulus Therapeuticsを買収へ

ノバルティス、腎不全治療薬の買収を発表



2025年4月30日、スイス・バーゼルに本社を構えるノバルティスが、バイオ医薬品企業のRegulus Therapeutics社を買収することに合意したと発表しました。この買収によって、ノバルティスは腎不全の主要な遺伝的要因である常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の治療薬開発を強化する狙いです。

ADPKDとfarabursen



Regulus Therapeutics社は、ADPKDに焦点を当てたマイクロRNA治療薬の開発に取り組む企業です。この企業のリード化合物であるfarabursenは、miR-17をターゲットにした画期的な次世代オリゴヌクレオチドです。最近、farabursenは第Ib相反復投与用量漸増試験を成功裏に終了し、臨床的有効性や安全性を示したデータを得ています。

ノバルティスの開発部門のプレジデントでありChief Medical OfficerのShreeram Aradhye氏は、「ADPKDに苦しむ患者さんが直面している治療選択肢の限られた状況に対し、farabursenが標準治療薬よりも優れた効果を発揮できる可能性がある」と述べています。この治療薬は、腎臓に対する高い選択性を持ち、嚢胞の成長を抑制し、腎容積の縮小や疾患進行の遅延を目指しています。

買収の詳細



今回の買収取引では、ノバルティスは合計17億米ドルを費やし、最初に8億米ドルを支払い、その後、milesstoneの達成に応じて9億米ドルの追加支払いが行われることになります。また、ノバルティスは株式公開買い付けを通じてRegulus社の普通株を全て取得し、買収完了時に株主には1株当たり7米ドルの現金が支払われ、さらなる条件付価値権も提供されます。買収手続きは2025年下半期に完了する見込みですが、ノバルティスとRegulus社は買収完了までは独立した企業としての活動を継続します。

ノバルティスの腎疾患への取り組み



ノバルティスは、腎臓の健康を向上させる革新的な治療の開発を使命としており、40年以上にわたる専門的な知識を持っています。この分野における成果の象徴ともいえるのが、Vanrafia®とファビハルタ®の米国食品医薬品局(FDA)による承認です。特に、ADPKDのような未充足のニーズが高い領域に対して、ノバルティスはさらなる進展を目指しています。

今後の展望



この企業買収により、ノバルティスは腎疾患治療の分野での影響力を一層高め、ADPKDに苦しむ患者に新しい治療選択肢を提供することが期待されます。ADPKDは、世界中で最も一般的な腎不全の遺伝的要因であり、適切な治療が求められています。ノバルティスは、この新しいマイクロRNA治療薬の臨床研究を通じて、さらなる科学的知見を深め、より多くの患者に恩恵をもたらすことを目指しています。

会社情報

会社名
ノバルティス ファーマ株式会社
住所
東京都港区虎ノ門1丁目23番1号虎ノ門ヒルズ森タワー
電話番号
03-6899-8000

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