骨髄バンクの新たな取り組み、「スマイルキャンペーン」が始動
公益財団法人日本骨髄バンクは、10月の骨髄バンク推進月間に合わせて「スマイルキャンペーン」を開始しました。このキャンペーンは、骨髄バンクの認知度向上を目指しており、特に若年層へのアプローチを強化しています。今年度は新しいビジュアルを用いたポスターも制作されています。
キャンペーンの特徴
今回制作されたポスターは、骨髄バンクの象徴であるオレンジ色を基調とし、視覚的にアピールするデザインとなっています。ポスターに描かれた涙は、ドナーが提供できたときの喜びや安心感を象徴しています。このように、ドナー登録や提供を促進するための応援メッセージも順次配信され、多くの人々にこの取り組みを広く知ってもらうことを目的としています。
移植を必要とする患者の現状
毎年約2千人が骨髄移植を必要としていますが、実際に移植を受けられるのはそのうちの半数程度にとどまっています。したがって、もっと多くのドナー登録者が求められています。特に、40代以上の登録者が多い中で、若年層の有効な参加が求められているのです。
日本骨髄バンクは、2024年3月末時点でドナー登録者は554,123人、累計で28,678件の提供が行われていることを発表しています。2023年度では新たに1,822人の患者が登録され、ドナーからの提供は1,086件に達しました。
ドナーの不足と社会環境
その一方で、ドナー登録を続けている40代以上の高い割合により、今後数年内にドナープールが縮小することが懸念されています。また、提供を希望する意向があっても、仕事や学校の都合で提供できない状況が多く見受けられます。これに対する課題解決も急務です。
提供しやすい環境の整備
日本骨髄バンクでは、ドナーが気軽に提供できる環境を整えるための活動を進めています。具体的には、大学等の若者が集まる場所でドナー登録会を開催し、SNSなどでの情報発信を強化しています。また、提供に必要な通院や入院のための特別休暇を企業に導入してもらうことや、ドナー登録のオンライン化も進めていることが発表されています。
新しいドナー登録の方法
現在、日本骨髄バンクではスワブを使用したオンライン登録の導入も検討中で、2026年を見込んでスタートする計画です。この新しい登録方法が実現すれば、より多くの人が気軽にドナー登録を行えるようになります。
結論
「スマイルキャンペーン」は、骨髄バンクの活動を広く知ってもらうための重要な取り組みであり、より多くの人々の参加を促すことが期待されています。これまでの活動を踏まえ、未来の患者を救うために、私たち一人ひとりができることを考えることが必要です。
この取り組みに参加し、ドナー登録の重要性を再認識することで、多くの命を救う可能性を広げていきましょう。