VR技術が変える学校行事の参加感！南毛利中学校での合唱祭事例

VR技術がもたらす新たな参加体験

神奈川県厚木市立南毛利中学校で行われた合唱祭が、VR技術を導入して新しい形で開催されました。この試みは、The360合同会社が提供する「スクールライブ360」によるものです。新型コロナウイルスの影響で、多くの学校行事が中止される中、どのようにして保護者がリアルタイムで参加できるようにするか、平田瑞穂代表の熱意が実を結びました。

背景と願い

平田代表自身も、息子の卒業式に参加できなかった経験を持っています。「式典や行事に参加できず、悲しい思いをする親子を減らしたい」という彼女の想いから、このプロジェクトがスタートしました。

「スクールライブ360」は、学校行事をVRライブ配信するための画期的なサービスで、生徒の成長を見守りたい保護者のための“眼”として機能します。リリース後、学校や行政との交渉を進める中で、なかなか前例のない試みに対して慎重な姿勢がみられ、苦労を重ねました。

合唱祭の実施

ようやく厚木市立南毛利中学校のPTA会長、池谷章徳様から「合唱祭をVRで配信してほしい」との依頼が寄せられ、詳細な撮影準備が始まりました。

撮影クルーは徹底した感染防止対策を講じ、厚生省のガイドラインに従って体調管理を確認し、学校専用のパスワード付きVR動画配信サイトを構築。これにより、保護者はスマホなどからリアルタイムで子どもたちの発表を楽しむことができました。加えて、後日DVDを購入することで思い出を残すことも可能にしています。

三者が実現したメリット

この試みは三者それぞれにとってのメリットがあります。
1. 学校側：不必要な責任問題を避けながら行事を実施。
2. PTA（保護者）側：子どもを近くに感じながら、行事に参加できる新たな形を実現。
3. 子どもたち：感染のリスクを抑えつつ、発表の機会を得ることができました。

従来の学校行事を越えて

今までの学校行事では、保護者が主導で運営するケースは限定的でありましたが、今後はPTA主導の形が増えていく可能性があります。この動きは、保護者の想いと学校の使命のバランスを取りながら、子どもたちの未来に良い影響をもたらしていくでしょう。

将来的な展望

「スクールライブ360」は、単なる行事配信にとどまらず、学校という空間や通学路を360度アーカイブし、時空を超えたアルバムのような機能を持つことを目指しています。これにより、身体的な障害や移動の困難さを乗り越えることが期待されています。

この新しい試みは、教育現場に革命を起こす可能性を秘めており、The360合同会社は今後ともこの取り組みを進めていくことでしょう。全国各地においても同様の活動が広がることが期待されています。