難病の子どもを支える
2022-04-21 16:09:04
『難病の子どもと家族が教えてくれたこと』 〜新たな地域拠点が示す支援の形〜
難病の子どもと家族が教えてくれたこと
新たにリリースされた書籍『難病の子どもと家族が教えてくれたこと』は、著者である中嶋弓子がこの5年間にわたって積み重ねてきた経験を元に、難病や障害を抱える子どもたちおよびその家族に対する支援の重要性を訴えています。この本は、医療技術の進歩により日本における新生児医療が世界的に評価される一方で、難病や医療的ケアを必要とする子ども達が増加している現実を直視しています。
現在、日本国内には約25万人もの難病を抱える子どもが存在します。彼らを支えるためのモデルとなる施設やプログラムが整備され、著者は全国に30か所の拠点を設立しました。本書では、実際にそれらのモデル施設がどのように構築され、各地域でどのように支援の輪が広がっているのかが詳しく語られています。
「こどもホスピス」とは何か?
著者は「こどもホスピス」を「第2のおうち」と位置づけています。この考え方は、医療ケアと共に家族が安心して過ごせる場所として設計されています。多くの場合、支援を必要とする子どもたちは「特別である」と考えられがちですが、著者はさまざまな家族と出会うことで、彼らが「普通の子ども」として愛される存在であることに気づきます。新たな支援者とのつながりの中で、支援の形が少しずつ変わってきています。
社会課題へのアプローチ
本書はSDGsや共生社会、インクルーシブといった概念に触れつつ、著者が視察した国内外の先進的な事例も紹介しており、読者にとって難病の子どもたちの現状を理解する手助けともなる内容になっています。著者が様々な支援者や当事者と向き合いながら感じたこと、学んだ知見が詰まった一冊です。その中で、専門家でなくても手を差し伸べる勇気が生まれることが重要であると説いています。
著者のメッセージ
「難病の子どもと家族支援は、単なる業務ではなく、自らの人生を通じて意味のある活動である」という著者の思いが各所に溢れています。課題は依然として多く、ハードルも高いですが、誰もが心の中に持っている「何かができる」という勇気を引き出せるような本になっています。著者の中嶋弓子は、京都生まれでアメリカで幼少期を過ごした彼女自身の背景を交え、寄付文化の重要性やボランティア活動に取り組んできた経験を語ります。
今後、医療的ケア児の社会参加がどのように進んでいくのか、著者の視点を通して、多くの人々が関心を持ってもらえる動きが生まれることを期待しています。特に、身の回りの支援できることを考えるきっかけを提供し、「必要な場所に必要な支援を届ける」ことがどれほど重要であるかを伝えています。
この書籍は、難病の子どもたちが抱える現実に対する理解を深めるだけでなく、実際に行動に移しやすくするための示唆も提供しており、社会全体でインクルーシブな未来を作る第一歩となるかもしれません。
会社情報
- 会社名
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株式会社クリエイツかもがわ
- 住所
- 京都府京都市南区吉祥院石原上川原町21
- 電話番号
-
075-661-5741