KISCOがSCSを買収しパリレンコーティング市場を強化

KISCOが米国SCS社を買収し新たな展望を切り開く



KISCO株式会社は2015年12月29日、米国インディアナ州に本社を置くSpecialty Coating Systems, Inc.(以下SCS社)の買収を完了したことを発表しました。この買収により、KISCOはパリレンコーティング事業における存在感をさらに強化し、より高品質なサービスを提供できる体制を整えることができるようになります。

パリレンコーティング事業の重要性



両社が手掛けるパリレンコーティングは、電子機器や医療機器において非常に重要な技術です。このコーティングは、電子部品や基板の防錆や絶縁、さらには腐食性ガスや化学薬品からの保護に利用されています。また、パリレン材料はFDA(米国食品医薬品局)で生体適合物質として認定されており、心臓ペースメーカーや人工内耳など、医療現場での利用も進んでいます。

予測によると、パリレンコーティング市場は2020年には700億ドルに達する可能性があり、その成長が期待されています。特に、医療機器や電子機器での採用が進む中、KISCOは市場での競争力を高める絶好の機会を得ることになります。

KISCOとSCSの背景



KISCOは1921年に設立された化学品や電子材料を扱う専門商社で、現在は欧米やアジアを含む14カ国に45社を展開している国際的な企業です。自社製造による「diX」ブランドのパリレンコーティング事業は18年の歴史を有し、全世界に10拠点を展開しています。

一方、SCS社は1971年に設立され、パリレンコーティングの先駆者として世界の市場で名を馳せています。医療機器や電子機器、自動車など多岐にわたる分野で高品質のサービスを提供しており、北米を中心に11の拠点を運営しています。今回の買収により、両社は業界でのリーダーとしての地位をさらに確立していくことが期待されます。

統合後の展望



KISCOとSCSの統合により、両社が持つ豊富な経験と専門知識を活かし、パリレンコーティング市場におけるトップ企業としての位置を築いていく計画です。新しい体制では、顧客へのサービス提供をさらに強化し、品質の向上を図ることを目指します。また、医療や電子機器分野での需要の増加に伴い、今後の成長が楽しみです。

パリレンコーティングの特性



パリレンコーティングは、パラキシリレン樹脂を用いたコーティング技術で、化学蒸着法(CVD)により常温にて均一に薄膜を形成します。この薄膜は、1~50μmの厚さで、絶縁性、防湿性、耐薬品性に優れた特性を有します。そのため、多くの産業で幅広く使用されています。

企業情報



KISCO株式会社は大阪市に本社を構え、化学品や電子部品、医薬品原料などを幅広く取り扱っています。一方、SCS社は米国インディアナポリスに所在し、特にパリレンコーティングサービスを提供している企業です。両社の協力により、今後のさらなる発展が期待されています。

会社情報

会社名
KISCO株式会社
住所
大阪市中央区伏見町三丁目3番7号
電話番号
06-6203-5651

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