日本初のEV充電自動制御実証が始動
株式会社LooopとKaluza Japanが協力し、再生可能エネルギーの普及と利用推進に向けた「市場連動型電気料金プランに合わせたEVの自動制御実証」を開始しました。この取り組みは、2025年10月1日から2026年3月31日までの期間に実施され、対象は「Looopでんき」の市場連動型料金プラン「スマートタイムONE」を契約している72世帯のTeslaオーナーです。
1. 取り組みの背景
最近、電気自動車(EV)の普及が拡大していますが、その充電に使用される電力量の脱炭素化が急務とされています。特に、EVは大きな電力を必要とするため、もし適切に管理されなければ、需給バランスが崩れ、系統の負担が増加する危険性があります。そのため、発電と需要のバランスを取る「ディマンド・リスポンス(DR)」が注目されています。これは、再生可能エネルギーの発電量に応じて需要を調整する仕組みです。
2. 実証内容と方法
本実証の目標は、Kaluza Japanのコネクテッド技術を活用して、Tesla車の充電を市場価格が安い時間帯に自動的に行うことです。これにより、お客様は出発時刻などの条件を設定したエプリに基づき、電気代を低下させることができます。また、Looopのアプリを通じて、充電が最もお得になるタイミングをリアルタイムで通知する機能も提供されます。このシステムのすごい点は、ユーザー側で特別な機器の設置が不要で、直接充電指示をTeslaに送信できることです。
3. 期待される効果
この実証実験によって、単に電気代の削減だけでなく、需要創出効果も確認したいと考えています。一般的な料金プランでは、お客様の電気代が直接下がることはありませんが、市場連動型料金プランでは、そのメリットを直接享受できるのが特長です。例えば、太陽光発電の供給が増える昼間の時間帯には、電力単価が著しく低くなります。この機会を利用して、EVを「動く蓄電池」として活用することは、社会的な電力コストを低減させる良策でもあります。
4.今後の展開と実施について
このプロジェクトの結果は、記者発表会で共有される予定です。また、戸建て実験施設「Looop Green Lab.」での取材も受け付けていますので、興味のある方はお問い合わせください。 環境省の支援を受けたこの実証は、日本の電気料金プランに新たな風を吹き込む試みの一環です。
5. まとめ
再生可能エネルギーへのシフトと、より効率的な電力消費の実現を目指すLooopとKaluza Japanのコラボレーションは、次世代エネルギー社会の構築に向けた重要なステップと言えるでしょう。 なぜなら、EVの急速な普及に伴う電力供給の課題を、新たな技術革新と市場戦略で乗り越えようとするこの取り組みは、持続可能な未来を築く上で欠かせない要素となる的だからです。