インバウンド消費を促進するための新たな取り組み
株式会社Paykeは、日本の大手コンビニエンスストアセブン-イレブン・ジャパンと提携し、インバウンド消費行動のデータを解明するための実証実験を開始しました。この取り組みは、2024年に予測される訪日外客数3,687万人を見据え、購買データの不透明性を解消することを目的としています。具体的には、セブン-イレブンが展開するオリジナル商品の多言語化を通じて、インバウンド客がより便利に日本の文化や商品を楽しめる環境を整えることを目指しています。
取り組みの背景と意義
日本政府観光局(JNTO)の報告によると、2024年の訪日客の消費額が過去最高の8兆1395億円に達することが予測されています。しかし、訪日外国人の購買行動に関するデータは依然として不透明で、実態の把握が難しい状況です。Paykeはこの課題に取り組むことで、小売業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、セブン-イレブンを通じて日本国内の購買行動の理解を深めることを目指しています。
本プロジェクトは、セブン-イレブンの共創プログラム「SEVEN-ELEVEN JAPAN INNOVATION PROGRAM 2024」の一環として実施されるもので、インバウンド客に安心で便利なショッピング体験を提供し、日本の魅力を存分に楽しんでもらうことに貢献します。
実証実験の内容
実証実験では以下の三つのアプローチを通じて、インバウンド客の購買行動の実態を解明し、来店促進および顧客満足の向上を図ります。
1.
商品情報の多言語対応
セブン-イレブンのオリジナルフレッシュフードやプライベートブランド(PB)商品の情報を多言語で提供し、インバウンド客が自国語で簡単に情報を得られるようにします。これにより、言語の壁を越えて商品を楽しむことができる環境を整えます。
2.
データ分析による購買動向の把握
スキャンデータを活用し、国籍、年代、性別などの属性データに基づく購買動向を分析します。インバウンド客がどのような商品を求めているのかをリアルタイムで把握し、それを店舗運営に役立てます。
3.
店舗への送客促進
旅の準備段階からPaykeアプリを通じてインバウンド客をセブン-イレブン店舗に誘導し、購買行動を促進します。アプリによる効果的なアプローチにより、インバウンド市場での集客を目指します。
Paykeの強み
Paykeは、事前に約2,700万件の商品のスキャンデータを蓄積しており、これを活用することでインバウンド市場のリーダーとしての地位を確立しています。以下にその強みをまとめました。
商品スキャンデータはリアルタイムで収集・提供され、迅速な意思決定をサポートします。
インバウンド客の国籍や年代、性別に加え、どの店舗でどの商品の購入を試みているかの情報を把握できます。
インバウンド客全体の約5%がPaykeアプリを利用しており、特に韓国や台湾からの訪日客の約10%が利用しています。
訪日前のダウンロード率が90%に達し、旅の準備段階からインバウンド客へのアプローチを可能にしています。
Paykeアプリについて
Paykeは、商品パッケージのバーコードをアプリでスキャンするだけで、商品の情報を7言語で表示することができます。単なる翻訳アプリではなく、商品に関連した魅力的な情報や口コミなども提供し、利用者がより良いショッピング体験を味わえるようにサポートしています。また、クーポンの提供など、日本旅行をお得に楽しむための機能も充実しています。
対応言語は、繁体字、簡体字、韓国語、タイ語、ベトナム語、英語、日本語の7言語です。
まとめ
Paykeとセブン-イレブンの協力によるこの実証実験は、インバウンド客の消費行動をより深く理解し、より良いショッピング体験を提供するための大きな一歩です。訪日観光が盛んになる2024年に向けて、その結果がどのように小売業界に影響を及ぼすのか、今後の展開に期待が高まります。