副業・フリーランス人材白書2025が示す企業活用の実態と課題

副業・フリーランス人材白書2025の概要

パーソルキャリア株式会社が発表した「副業・フリーランス人材白書2025」は、企業及び個人に向けた副業・フリーランスの現状を探る重要な資料です。本白書では、副業やフリーランス人材の活用実態や若干の課題、満足度に関する情報を詳細に提供しています。

企業における副業・フリーランス人材の利用状況

調査によると、副業やフリーランス人材を実際に活用した企業は全体の3割未満という結果が出ました。つまり、まだまだこのアプローチに踏み切れていない企業が多いことが示されています。それにも関わらず、活用した企業の80％近くがその結果に「満足」と答えており、副業人材が新規事業創出や経営企画といった業務において高い効果を上げていることが伺えます。

特に、業務プロセスの改善や効率化においては、ハイクラス人材の活用が特に進んでいるとされます。一方で、副業人材の活用に踏み切れない企業は、コスト面の不安や、具体的な活用方法の理解が不足していることを理由に挙げています。

また、実際に活用している企業の中でも、業務の受け入れに関わるサポートが必要だと感じている企業は7割に達しており、制度の整備などが求められています。

個人における副業・フリーランスの経験

一方で、個人として副業を行っている会社員は2割に満たず、副業を検討している層に至っては約50％。主な理由としては、社内規定の禁止や時間的な制約が挙げられます。興味を持っているにもかかわらず、実際には行動に移せない状況が多いようです。

副業やフリーランス活動の目的は、多くの場合「収入」に関連していますが、ハイクラス層では「キャリアアップ」や「希望条件での就業」といった動機も見受けられ、より高い目標を持っていることがわかります。満足度も高く、特にハイクラス層ではその割合が高いことから、やりがいを感じている人が多いと言えます。

課題と今後の展望

調査によると、副業・フリーランスに共通して浮き上がる課題は、事務手続きや案件獲得の難しさです。確定申告や新規案件の獲得におけるハードルが高く、多くの人がサポートを求めています。企業と個人の双方において、活用に向けた体制整備が急務であることが浮き彫りになりました。

パーソルキャリアの鏑木陽二朗氏は、企業が変化の激しい環境下で進化を求める中で、副業・フリーランス人材がもたらす責任ある仕事の期待が高まっていると述べています。多様な働き方を理解し、適切に受け入れることが、企業と人材の可能性を広げる鍵となるでしょう。