宇宙水道局が新機能「管路絞込み」を追加
2023年、JAXA認定の宇宙ベンチャー企業、株式会社天地人(東京都中央区)は、持続可能な水道事業の実現を目指している水道DXソリューション「宇宙水道局」に新たな機能を追加しました。その名も「管路絞込み」。この機能は、漏水リスク診断の結果と水道管の属性情報を組み合わせることで、漏水調査や管路更新の対象をより迅速かつ的確に選定可能にするものです。
背景と課題
水道管の現状把握や更新計画の策定には、多くの人手と時間がかかっていました。これには水道管の属性(用途、材質、布設年度、口径)を把握することや、漏水リスクの診断結果をもとにするデータの取り扱いが困難だったことが影響しています。これらの要因により、正確なデータ分析が難しくなり、調査や更新にかかる時間が長引くことも珍しくありませんでした。
新機能の魅力
新たな「管路絞込み」機能は、選定プロセスを大幅に簡素化し、作業の迅速化に寄与します。具体的には、以下の5つの項目を基にした絞り込みが可能です:
1.
漏水リスク診断結果:メッシュ単位でリスクを評価し、A〜Eまでのグレードで分析します。
2.
用途:導水管や送水管、配水管など、さまざまな用途から選択できます。
3.
管材質:材料に応じて、ダクタイル鋳鉄管からポリエチレン管まで選択肢が豊富です。
4.
口径:任意のmm単位で絞り込みが可能です。
5.
布設年度:1950年以来の布設年度を指定できます。
このような多角的な絞り込みにより、限られた予算の中で優先すべき業務により効果的に資源を活用できるようになります。
データ標準化の重要性
「宇宙水道局」の機能実装には、データの標準化が大きな役割を果たしています。長年の間に異なった表記や名称が用いられてきたため、同一の管を指す名称が混在する事例も珍しくありません。このような背景がある中、天地人は水道事業におけるデータの標準化に取り組んできました。これにより、異なる表記でも同じ管材質の情報を正確に把握できるようになり、効率的な漏水調査が可能になります。
今後の展望
今後も「管路絞込み」機能のさらなる拡充が予定されており、「管路単位の漏水リスク診断結果」や「管材質(継手)」による絞り込み、さらには「メーター数の算出表示」など多岐にわたる機能追加が期待されています。
このような進化により、宇宙水道局は従来の調査手法と比較して、現場での意思決定を速め、より効果的な水道管理が実現します。この取り組みを通じて、持続可能な水道事業の実現に向けた新たなステージに進むことが期待されます。
会社概要
株式会社 天地人は、東京都中央区に本社を構える企業で、衛星データを活用した土地評価コンサルティングを行っています。持続可能な水道事業の実現を強く後押しするために、今後も技術革新に努めていきます。公式サイトはこちらです:
天地人公式サイト