JR東海とクラボウが開発した革新的な軌道モニタリングシステム
1. 画期的な取り組みの背景
鉄道の安全な運行は、迅速かつ正確な軌道の点検に依存しています。しかし、これまでの点検方法は人手による目視や計測器具を使った作業で、多大な労力と時間がかかっていました。労働力人口の減少が懸念される中で、効率化や省人化の必要性が高まっています。
このような背景の中、クラボウは自社の持つ高速画像処理技術「PG-4」を駆使し、鉄道軌道材料の計測を行うシステムの開発に取り組むことになりました。JR東海との共同開発が実現し、国内初の試みとして、東海道新幹線の高速走行中に軌道状態を計測することが可能な「軌道材料モニタリングシステム」が誕生しました。
2. システムの詳細
(1) 概要
新たなシステムでは、東海道新幹線の車両の床下に設置されたプロファイルセンサとラインセンサカメラが、データを取得し、それをクラボウの独自開発した「Track Analyzer」にて解析します。この解析によって、締結ボルトやまくらぎ、道床バラストなどの状況をリアルタイムで把握することができます。
試験車両を用いた走行テストでは、時速300㎞でも目視と同等以上の精度で測定できることが確認されています。
(2) 特徴
プロファイルセンサによって、軌道材料の高低差を色で識別できるため、細かな変化も見逃さずに把握可能です。
ラインセンサカメラが高精細な画像を撮影し、材質の状態を正確に把握します。
大量の画像を、クラボウの速さで解析することができ、これにより検査効率が飛躍的に向上します。
3. 今後の展開
この新しいシステムにより、JR東海では営業運転中も軌道材料の状況をデジタルで監視でき、点検回数の削減やメンテナンスの迅速化が実現します。今後もクラボウは、技術開発を継続し、2027年以降の実運用開始を見込んでいます。
さらに、JR東海エリアの在来線にも導入を目指し、地元の鉄道会社にとどまらず、海外市場にも展開する計画があります。
4. お問い合わせ先
この技術に関する詳細や導入のご相談については、クラボウの総務部までご連絡ください。
クラボウ
TEL:06-6266-5053
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[email protected]
クラボウ公式サイト