マリア・メーリアンの生涯と科学の融合
中野京子の新刊『虫を描く女 「昆虫学の先駆」マリア・メーリアンの生涯』が、早くも好評を博し、増刷が決定しました。この書籍は、17世紀に生きた昆虫画家マリア・メーリアンの波乱に満ちた生涯と、その業績を描いたものです。科学と芸術が交錯する豊かな時代に、彼女がどのようにして昆虫学の基礎を築いたのかを解説しています。
メーリアン:昆虫学の道を切り開いた女性
メーリアンは、強い好奇心をもって昆虫の世界に足を踏み入れました。近代の自然科学が確立される前の時代、彼女は独学で昆虫の変態について研究し、絵を通してその成果を表現しました。彼女の作品には、17世紀の女性としては考えられないほどの自由な探求が表れています。
画家としての彼女のスタート
本書の中では、メーリアンが28歳の時に発表した処女画集から始まり、研究活動の集大成といえる大作『スリナム産昆虫変態図譜』に至るまで、多彩な作品がフルカラーで収録されています。これにより、彼女の独自の視点と描写力が明らかになります。
科学と芸術が融合した時代
メーリアンの魅力は、単に昆虫を描く技術だけでなく、彼女の持つ知識と感受性にもあります。科学と芸術の融合を体現した彼女は、「神」の存在を小さな昆虫に見出した唯一の画家でした。この挑戦が、彼女を昆虫学の先駆者として永遠に名を刻むことになります。
養老孟司氏の推薦
解剖学者の養老孟司氏も、この本を絶賛しています。彼は、「日本では未だに知られていないメーリアンの姿を、見事に蘇らせた作品である」と評価を寄せています。このような推薦があることは、書籍の価値を一層高めているといえるでしょう。
涙ぐましい情熱の物語
試し読みが公開されており、彼女の情熱を感じ取ることができます。メーリアンの人生は、単なる昆虫学の発展ではなく、時代を超えた「未知」への探求であったことが伝わってきます。
本書の詳細情報
この書籍は、2025年4月10日に発売され、全256ページの中で、96ページがフルカラー図版として収載されています。定価は1,320円(税込)で、ECサイトやAmazonでの購入も可能です。
いかがでしたでしょうか。『虫を描く女』を通じて、マリア・メーリアンの独特な世界観と、不屈の精神に触れてみてください。彼女の生涯は、科学と芸術の架け橋として、今日に生きる私たちに多くの示唆を与えてくれることでしょう。