TOYOとAWSの協業契約
東洋エンジニアリング株式会社(以下、TOYO)は、イタリアのAWS Corporation Srl(以下、AWS社)との間で、尿素製造プラント向けの湿式電気集塵機(WESP)の適用に関する協業契約を締結しました。この協業の目的は、環境負荷を軽減し、持続可能な製造プロセスを確立することです。
尿素プラントと環境規制
尿素プラントでは、製造過程で生じた尿素ダストを含む空気が洗浄塔で処理され、最終的には大気中に放出されます。尿素そのものは無害な物質ですが、この尿素ダストは、各国や地域の環境規制によって粒子状物質(PM)として制限されています。特に最近では、環境規制が厳しくなっている地域が増えてきています。
TOYOは既存のプラントで、尿素ダスト濃度を30mg/Nm³-Air以下に低減する技術を導入していますが、AWS社の高度なWESP技術を採用することで、さらなる低減を目指します。この技術により、尿素ダスト濃度を5mg/Nm³-Air以下に抑えることが可能となります。
協業契約の内容
この協業契約に基づき、TOYOとAWS社は、尿素製造プラント向けのWESPに関する専属的な技術提供体制を整えます。具体的には、AWS社がWESPの設計と納入を行い、TOYOはその技術を活用して環境負荷の低い排気処理システムの提案を進めていくことになります。これにより、両社は持続可能な社会の実現に向けて共同で取り組んでいくことが期待されます。
TOYOの取り組み
TOYOは、1961年に設立され、グローバルネットワークを持つ総合エンジニアリング会社として、幅広い業種で環境に配慮した技術を提供しています。特に、化学肥料分野における独自技術を活かし、石油化学、エネルギー、資源開発など多様な分野において持続可能なソリューションを展開しています。
TOYOは、環境に優しい技術の導入とグローバルなパートナーシップを通じて、地球環境と社会の持続可能性に貢献することを理念とし、今後も環境負荷の軽減に努めていきます。
AWS社の技術
AWS社は、2006年に設立され、大気汚染防止設備の設計と製作において豊富な経験を持っています。これまでに100基を超えるWESPを世界中に納入しており、その技術は高い評価を受けています。
この協業の締結により、TOYOとAWS社は、環境保護に向けた新たな一歩を踏み出しました。今後の進展に注目です。