マンガの未来と変遷
2025-07-17 10:33:12

マンガの20年にわたる変遷と未来のトレンドを探る

はじめに


日本のマンガ文化が電子化された20年の歴史を紐解くと、様々な変化が見えてきます。NTTソルマーレ株式会社が運営する日本最大級の電子コミックサービス「コミックシーモア」は、リリースから20年が経過し、この記念すべきタイミングを機に、京都国際マンガミュージアムの倉持佳代子氏の監修のもと、マンガ市場の過去と未来についての分析が行われました。

20年の市場変遷


ガラケーからスマートフォン時代へ


電子コミック市場の歴史を振り返ると、その変化の軸となるのは、携帯電話の進化とライフスタイルの変化です。ガラケー全盛期(2004〜2013年)には、特に女性向けの官能的な作品やエロティックな内容が人気を博しました。実際、ランキングで1位を獲得した『まんがグリム童話 金瓶梅』は、月間ダウンロード数が30万を超え、その影響力の大きさが伺えます。

この時期、電子コミックは「人目を気にせず、自分の好きな作品を自由に読む」といった新たな読書体験を提供し、多くの人々が作品に親しむきっかけとなりました。通信制約があったガラケー時代から、スマートフォンの普及が進むにつれて、若年層を中心とした新たな読者層が形成されていきます。

スマートフォンの影響(2013年~)


スマートフォンの普及により、電子書籍市場は急速に拡大しました。多くの出版社が参入し、無料の試し読みや、アプリを通じた課金モデルなども普及し、広範囲なジャンルの作品が注目を集めます。アニメや映画化される作品の数が多く、知名度と人気が加速していく傾向が見られました。また、デジタル専用の作品も増え、縦読みスタイルのマンガも誕生し、読者の選択肢はさらに広がりました。

コロナ禍の影響(2020年~)


そして、2020年以降のコロナ禍では、巣ごもり消費が進み、電子コミック市場はより多様化しました。「鬼滅の刃」のヒットに見られるように、紙媒体の需要が高まる中、デジタル購読も急増。コミックシーモアの売上は、前年度比で驚くべき250%の成長を見せました。読者は、特に異世界転生やロマンティック・ファンタジーといったジャンルに惹かれ、人気作品に輝くこととなります。

未来のトレンド


ジャンルの変化


「コミックシーモア」によるデータ分析では、今後注目されるジャンルとして次の三つが挙げられています。まず一つ目は、自立した女性ヒロインが描かれる「ロマンス・ファンタジー」で、多くの作品が若い世代に人気を博しています。

二つ目は、夫婦問題や復讐をテーマにしたリアルなストーリーが共感を呼んでいる点です。現代の女性の心情に寄り添う内容は、多くの支持を受けています。

三つ目は、社会的制裁をテーマにした現代的な「青年復讐もの」です。SNSを利用した新しい形の復讐劇が注目され、多くの読者の心に響く作品が増加しています。かつては男性向けのジャンルと思われたものが、今や女性からも支持を受けるようになりました。

おわりに


これからのマンガ界は、AIの浸透や国際的な人気の高まりによって、新たな表現方法と出会うことが期待されています。京都国際マンガミュージアムに集まる海外のマンガファンの増加は、今後の市場拡大を示唆しています。マンガという文化が、常に時代の流れと読者のニーズに応じて進化し続けることは間違いありません。次の20年間も、その進化を楽しみにしたいものです。


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会社情報

会社名
NTTソルマーレ株式会社
住所
大阪府大阪市中央区北浜4丁目7番28号住友ビル2号館
電話番号

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