佐賀県有田町で小型モビリティ『TOCKLE』実証実験が始まる
2025年10月31日、佐賀県有田町で小型モビリティシェアリングサービス『TOCKLE』を活用した実証実験が開始されます。このプロジェクトは、地域住民や観光客の移動をより快適、安全にすることを目的としています。実施するのはBRJ株式会社で、同社は東京都港区に本社を置く企業です。
1. 地域課題の背景
有田町は陶磁器で有名ですが、観光資源が広範囲に分散していることが課題となっています。徒歩での観光は限界がありますが、公共交通手段が不足しているため、観光客にとっては移動が大きな障壁となっています。今回の実証実験では、TOCKLEを利用することで、観光拠点間の移動時間を大幅に削減し、観光の効果を高めることを目指しています。
こうした取り組みは、県内での観光消費を促進し、地域経済を活性化させる新たな手段として期待されています。また、有田陶磁器まつりの開催期間(11月20日〜24日)中に実施されるため、多くの観光客がその効果を体感できるでしょう。
2. 実証実験の詳細
実証実験は2025年の10月31日から2026年の1月22日まで行われ、利用者はTOCKLEアプリで簡単に登録し、小型モビリティを借りることができます。利用時間は午前9時から午後3時までで、料金は2時間1000円です。モビリティは有田駅前観光案内所や上有田駅などに配置されます。
これにより、観光地間の移動が徒歩20分からわずか5分に短縮される見込みです。
3. 安全への配慮
BRJは安全を最優先に考え、以下のような取り組みを行っています。
地方特有の交通環境
地方は都会に比べて交通量が少なく、安全に運用できる環境が整っています。こうした地域特性を活かし、交通空白地域の解消を図ることがTOCKLEの狙いです。
ジオフェンシング機能
TOCKLEはGPSを利用し、特定の危険エリアに入り込むことができないジオフェンシング機能を搭載しています。自治体が設定したエリアに入ると、自動的に運転が停止します。これにより、安心して利用できる環境が提供されます。
夜間運用の禁止
一般的に電動モビリティ業界では夜間が稼ぎ時とされていますが、TOCKLEでは安全優先のため、夜間の運用を完全に禁止します。これにより、飲酒運転のリスクを減少させ、安全な移動手段としての信頼性を高めます。
4. 今後の展開
実証実験を通じて利用者からのフィードバックを集め、それを基に次世代モビリティが地域にどのように受容されるかを見極めます。また、将来的には地方の交通問題や高齢化への対応として、持続可能な交通ネットワークの構築を目指します。
BRJは、過去に東京都立川市や千葉県流山市でも実証実験を行っており、この経験を活かし、地域に根ざした交通ソリューションを提供することで、より良い公共交通の未来を創造していきます。
会社概要
BRJ株式会社は、『人と街に感謝される未来の公共交通を創る』ことをビジョンに掲げ、次世代モビリティのシェアリング事業や地域交通ソリューションを展開しています。新たな試みとして今回の事例を推進し、安全を確保しながら、地域の移動の自由を広げています。