熊本大学とReGACY Innovation Groupの新たな取り組み
熊本大学とReGACY Innovation Group株式会社が、研究開発型スタートアップの創出に向けた支援を強化しています。この取り組みは、昨年度から始まったもので、大学内の研究シーズをビジネス化するための幅広いサポートを提供しています。主に、学術研究とビジネスの融合を促進するために、介入する形で研究者を支援の柱としているのが特徴です。
背景
近年、日本の大学が持つ高い研究力や技術力を活かし、スタートアップの創出が期待されています。大学が成功することでブランド力が高まり、起業やライセンスアウトの件数増加に直結しますが、これには自立した収益確保が不可欠です。特に、政府主導で進められる研究支援プラットフォームの重要性が増している中、熊本大学もその一翼を担う存在となっています。
このプロジェクトは、PARKS(九州・沖縄スタートアップ・エコシステムプラットフォーム)の一部として機能しており、15大学が連携して地域のスタートアップ効果を高めることを目指しています。
プロジェクトの目的
熊本大学においても、スタートアップの創出は重要な取り組み課題として位置づけられており、PARKSへの参加はその表れです。具体的な支援制度も設けており、研究成果を実際のビジネスに結び付けるためのフレームワークを構築しています。このプロジェクトの中で、熊本大学発のスタートアップを次々と創出し、持続可能なエコシステムの確立に取り組むことが目指されています。
プロジェクトの概要
昨年12月から始まったこの取り組みでは、主に二つの活動が続けられています。まず一つ目は、ソーシングの実施です。豊富な研究成果を生かし、ビジネスに適した研究シーズを見つけるために、熊本大学のURAチームがソーシング活動を展開。この半年で70件の新しいソーシングを予定しており、実施の際にはReGACYがサポートしています。具体的には、研究者に対するインタビューを行い、社会実装の可能性を探り、最終的にシーズリストを策定します。
次に、GAPファンドへの申請希望者や採択者に対する伴走支援です。これは、特に事業開発を中心に支援を行い、具体的には市場調査や定期的な打ち合わせを通じて研究者と連携します。すでに昨年度の実績として、熊本大学の申請案件が約6割の採択率を記録し、これは全体平均の約4割を上回る結果となったことから、プロジェクトの効果は明らかです。
企業と研究機関の可能性の拡充
ReGACY Innovation Groupは、企業や教育機関との連携を通じてイノベーションの支援を行っており、研究開発の進捗に寄与しています。具体的には、CVCの設立や新ビジネスインキュベーションといった施策で、発掘した研究シーズを企業のニーズに合わせた形で育てる取り組みを展開しています。
これらの活動を通じて、熊本大学が持つ研究の強みをビジネスの場へと映し出すことで、地域全体の経済活性化にも寄与する見込みです。
今後も、熊本大学とReGACYが協力し合い、地域からアジアへとつながるスタートアップの未来を切り開いていくことが期待されています。