株式会社東光高岳と特定非営利活動法人 抱樸は、電力使用量データを基にした居住支援サポートサービスの実証実験を、2023年10月15日から約5ヵ月間行います。この取り組みは、高齢者の健康管理と孤独死予防を目的としています。実証実験は福岡県北九州市の「見守り支援付き住宅」において約40軒を対象に進行されます。
超高齢社会の進展とともに、高齢者の孤独死や事故物件化に対する懸念が高まっています。このような状況から、高齢入居者が賃貸住宅を借りにくくなるといった社会問題が発生しています。そのため、国土交通省は2024年5月に「住宅セーフティネット法」の一部改正を閣議決定し、高齢者が安心して住むことのできる居住支援住宅の供給を促進する動きを見せています。
抱樸は、1988年に設立された特定非営利活動法人で、経済的な困窮や社会的孤立にある人々の自立支援を行っています。彼らの活動の中には、安否確認や生活支援を行う「見守り支援付き住宅」の運営があります。ここでの取り組みは、高齢者の日常的な見守りを通じて、生活の質向上に寄与しています。
一方、東光高岳は東京電力グループの一員として、電力関連事業を展開し、エネルギーマネジメントにも尽力しています。彼らの最新プラットフォーム「DiGX-EGA」は、デジタル技術とエネルギーの最適化を図り、電力・ガス・水道の使用量データを活用したサービス開発を行っています。
実証実験では、電気の使用データを1分ごとに収集し、AI技術による分析を通じて居住者の生活リズムを把握します。これにより、体調の変化を感知し、早期的な孤独死の発見や生活支援業務の効率化に繋げていきます。また、AI分析の実施にあたっては、株式会社エクサが協力し、データ解析を行います。
今後の展望としては、スマートメーターから取得したデータだけでなく、ガスや水道の使用量データの導入も考えられています。これによって、より高度なサービスを提供し、高齢者の生活の質を向上させる支援を目指します。さらに、単身高齢者の家族向けにも見守りサービスや健康管理サービスの展開を計画しています。これらの取り組みによって、孤独な生活を送る高齢者が安心して暮らせる社会の実現に寄与したいと考えています。
このように、東光高岳と抱樸の連携により、高齢者の居住環境の改善と生活支援の新しい形が模索されているのです。今後の展開が非常に注目されます。